方が自由なのびのびした雰囲気になるのではとフリーハンドで描いた絵を使ってみました。
すると、金属板だということを忘れてしまうような柔らかなイメージになりました。
人物や動物等のモチーフを表すのに最適だと感じ、このテイストのデザインに決定となりました。
デザイン作画中
前述の通り、昨年立ち上げたピネココは、小さな装飾雑貨を作るところからスタートしました。
錦中央工業のレーザー加工機は、主に大きな工業製品を作るためのマシンです。
レーザー加工機細かいデザインがどのくらい綺麗にカットできるかは未知の挑戦で、テストテストの連続でした。
デザインさえあればそのままの形にカットできる、というものではなかったからです。
素材や厚み、デザインの形状等の条件により、細かい箇所は焼け落ちてしまったり、ガタガタの線になってしまったりしました。
焚火台「APOLLO21」でもカット段階の試行錯誤は続きましたが、昨年からの経験が生かされたと思います。
レーザーの特性を考慮してデザインしたり、CADオペレーターが設定を微調整したりと、ひとつひとつクリアして、合格範囲のクオリティに持ってくることができました。
デザインプレートのレーザーカットの様子
カットしたてのデザインプレート
今回レーザー加工機のCADオペレーターを悩ませたのが、デザインプレートの円みの多い小さい軌道の形状です。
そのような箇所で、特にこだわって取り組んだのは下記のパーツです。
・ペガサス~顔、特に目鼻、英字
・妖精~頭の花、顔、首、鎖骨、英字
・忍者~顔
・鹿~雄鹿の角、耳の中の線
・海賊~カギ爪、ドクロの口、英字
どれも、そのデザインの要となるモチーフの主要パーツなので、切り口がガタガタになってしまうと仕上がりの印象のカッコよさが半減してしまう感じがしました。
CADの説明書を広げ、解決法を探りました。
最も効果的だったのが、細かい箇所のみプログラムを変更しカットのスピードを遅くするというアレンジを加えたことでした。
その他、デザインの印象にできるだけ影響しないようにラインを単純化する等の工夫もしました。
このような細かな対策の積み重ねにより、スムーズなカットラインを実現できました。
英字のレーザーカットのテストペガサス顔部分のレーザーカット海賊のかぎ爪部分のレーザーカット
熱に強い鉄素材とはいえ、素材の性質と過熱し続けるという用途上、やはりある程度の歪みは生じます。
どのくらい使用するとどう変化するのかテストするため、工場の片隅で、ひたすら燃やしました。
耐久テストの薪を準備中
歪みは鉄板の厚みを増していけば解決しますが、持ち運びに不便になってきますし、なによりも細かいデザインをレーザーで切り抜くのが厚いほど困難になってきます。
土台のサイドとボトムは重くはなりますが、歪みの心配の少ない厚み6mmに。
デザインプレートには、加工ができる範囲で複数の厚みをテストし、許容範囲を探り2.3mmを採用しました。
約10回、計27時間ほどの焚き火テストを行った結果・・・
土台にあたるサイドとボトムはさすがの6mm、まったく歪みません。
歪まなかったサイドとボトム
2.3mmのデザインプレートは、約1cm~2cmの歪みが生じました。
しかし、組み合う土台が変形していないので、新品の状態よりも差し込み作業に若干のスムーズ感の低下はあるものの、組み立てと取り外しには支障はありませんでした。
デザインプレートはこの厚みで決定しました。
デザインプレートに生じた歪み
歪みは、初回の焚き火で