はじめに
OPEN SESAME主宰、ロネ&ジージです。
このサイトを見てくれてありがとうございます!私たちがやっていることを、できるだけわかりやすく説明しようとしたら、どうしても長くなってしまうのですが、読んでいただけたら嬉しいです。
OPEN SESAMEは、1990年11月の設立以来、日本に輸入されていなかったクラウン(Clown)という、欧米では知らない人のいない芸術分野を極めるべく、ひたむきに精進してまいりました。
<注釈>クラウンというのは、欧米ではバレエ、オペラと同じように歴史や伝統があるハイアートに分類される表現芸術のことです。歌舞伎のように「型」があり、その演者は劇場やサーカス、映画、テレビで活躍するコメディ・アーティストです。世界で一番有名なクラウンは、チャップリンだと言われています。「クラウン」の哲学は、日本人の知らない欧米の哲学を持つ、日本にとってはグローバリズムの入り口ともなる分野なのです。パッチ・アダムスのようなドクターや医療関係者などが病院を訪問する、いわゆるホスピタル・クラウンは、もともとの芸術分野としてのクラウン文化がある国々で、その流れの上で始まった社会活動分野で、芸術分野のクラウンとは違う分野になります。
日本にない芸術分野を学ぶため、アメリカ、ロシア、イギリスなどの師のもとで修業し、経歴や肩書によらず、自分たちの技術を磨き、紡ぎだす作品のクオリティだけを頼りに、その価値を認めてくださる方たちに支えられ愛されてここまで来ることができました。
アーティストとしての表現活動と、後進を育てこの分野を日本に普及させる教育活動のふたつが私たちの仕事です。
アーティストとしては、演劇的クラウンの先駆けとして劇場公演やライブを展開し、また海外ではいくつもの賞を受賞するなど、使う技術の多様さとクオリティの高さにこだわり、日本でもトップクラスのクラウンとして活動をしてきました。
教育者としては、日本で唯一のクラウンを系統立て学びトレーニングができるスクールや講座を開催し、プロ、アマを問わずさまざまな分野の方が学びに集まって来ます。出身者には優れたプロのクラウンが何人もいます。また、ウイスコンシン大学(USA)クラウン・プログラムでは、14年間常任講師をつとめてアメリカ人にコメディを教え、シンガポールのレジデンス・アーティストとして、特別支援クラスの子どもたちに自尊感情を育てるプログラムに招聘されたほか、国内では、小学校の共生共育としてユーモアあふれるコミュニケーションのハウツウを指導するなどの実績があります。
2011年からは、ウイスコンシン大学クラウンキャンプ公認の合宿型クラウン学習プログラム「クラウンキャンプ木曽」をスタートし、地元の協力を得て、長野県木曽エリアに10年かけてクラウンの楽しみを浸透させてきました。
この日本にはない「クラウン」という芸術分野で、私たちが使っている技術は、ダンス、バレエ、タップダンス、ジャグリング、マイム、マジック、アクロバティックコメディ、日本舞踊、歌、楽器演奏(バイオリン、三味線、アコーディオン、リコーダー、スライドホイッスルほか)、作詞、作曲、編曲、絵画と多岐にわたり、どれも、スキルの維持に膨大な時間とエネルギーを費やします。
これらの技術を最終的にキャラクターの「演技」に集約して使うのが、私たちの演じる上での仕事です。使う技術の中では、この「演技力」が一番必要とされる部分です。
また、ロネ&ジージがクラウンになる前に受けてきた特殊な教育の土台によって、欧米の芸術クラウンと日本の伝統芸術である歌舞伎を融合させることができるのも、OPEN SESAMEならではの大きな特長です。
本来の団体名は、Japan Theater Clown Company OPEN SESAMEですが、国内では、「クラウン劇団OPEN SESAME」と表記することも多くなりました。
地域のこどもたちと作ったステージ Be A Clown
The Big Ears
思い出しただけでも、つい顔がほころんでしまう、という時間を提供し続けること、「クオリティへのこだわり」が、OPEN SESAMEの信条です。
見る人に「幸せなキモチ」を届けたい、という思いで創り上演してきた作品は、「同じ作品を何度見ても笑ってしまう」という感想をよくいただきます。なぜ、そんなにこだわるのか、それは、クラウン文化のない日本で、クオリティの低いパフォーマンスをすると、「クラウン」そのものが価値がないという評価になりかねないからです。
ピアノやバレエに基礎トレーニングが欠かせないように、歌舞伎にさまざまな古典の技術が必要なように、クラウンとしての演技にも同じく基礎から積み上げる技術
が必要ですが、その特性として、技術を使っていないように見せることが仕事のため、クラウンの歴史のない日本ではなかなかそれが理解されないのが現状です。
国際的に活躍してきた経験を生かして、「日本に輸入されなかった芸術-クラウン-」を、チャップリンやルーシー、チェーホフなど、日本人に知られているコメディを例にして、演劇との深い関係や、ユーモアについてわかりやすく解説する講座ができるのは、日本ではOPEN SESAMEだけです。また、日本で初めてチェーホフ作品に出演したクラウンであり、日本に輸入されなかった芸術分野の紹介や、演劇など他の分野との関係を解説できる唯一の団体だと自負しています。
また、ロネとジージが主催するスクールや講座は、おそらく日本で唯一の基礎に重点をおいてクラウンを学べる場所となっています。その、日本にない指導のハウツウは、小学校の教育現場でも取り入れられ、いじめ防止の「共生共育」ワークショップとして長年にわたり招聘されています。
1990年の設立以来、ステージにしろ、学びの場にしろ、目指してきたのは「心のお洗濯ができる時間」、「幸せなキモチになれる時間」です。それを必要とする人、その時間が心地よく楽しみにしてくださる人が、世代や性別、国籍、言語、障碍の有無などを越えて集まって来ます。
ダイバーシティとか多様性とかを声高に謳うわけではないのに、結果的に、多様性が実現されているのが特長です。笑ってなぜか泣いたあとの心の元気を紡いでいくこの時間と空間を、必要としている人に届けたい、まだまだ続けていきたいのです。
「まじめに、ふざける」そのために「日々の精進をコツコツとする」、そういう分野があることを知ってほしいのです。
2019年劇場公演「おかしなやつら」
劇場体験ツアー 彩の国さいたま芸術劇場
サイレント・ドラマ「思い出のカケラ~幻の甲子園~」
2020年11月、OPEN SESAMEは30周年を迎えました。
本来なら、記念のステージやイベントをみなさんと楽しんで盛り上がる、はずでした。受注していた仕事はすべてキャンセルとなり、人が集まれない状況から公演はもちろんスクールも休みになり、休業や経営縮小の長期化は避けられない状況が続いています。
事務所や倉庫などの家賃だけでなく、人件費を削っても何もしなくても運営固定費は出ていきます。
周りを見れば、飲食店の閉店が目立つようになり、同じように苦しんでいる方がたくさんいます。
そのようなときに、このような支援のお願いをするのはどうなのだろうか、と何度も自問しましたが、先の見えないこの状況をOPEN SESAMEが越えていくために、応援してくださるみなさまの力をお借りしたくクラウドファンディングを立ち上げることにしました。
川崎市古市場小学校 共生共育授業のようす-6年生
川崎市アートセンター主催 Be A Clown 2008 休憩中の集合写真
2005年シンガポール ラッフルズホテル・シアター 自尊感情を育てる授業の発表公演 GORECA
すでに、コロナウイルス感染拡大の影響は1年になり、さらに長期化は確実だと考えています。
政府や自治体からの外出自粛要請が解除されても、浸透した「外出不安」はそう簡単には払しょくできず、人が集まることを前提としたセサミの活動は厳しい状況が続くでしょう。
昨年の支援Tシャツやカレンダー、その他さまざまなご支援をいただいていながら、なお支援をお願いしなければならないこの状況は、本当に情けないです。
けれども、今までご支援いただいたみなさまの「頑張れ!」を無駄にしないためにも、ロネ&ジージを愛してくださるみなさまのためにも、クラウンを学びたいと集ってくださる受講者のためにも、何としてでもここは生き残りたい!クラウンの知と技術の学び舎として、心の遊び場としてのOPEN SESAMEを残したいです。実演家が活動できる時間は限られています。
どうか、どうかみなさまのご支援をお願いしたく、心よりお願いいたします!
クラウンなので、自分たちのステージ写真はふざけているように見えてしまうと思いますが、「まじめに、ふざける」がその仕事なのでご容赦ください。
The Big Ears
シルバーセンター「たそがれ」
少しでもロネ&ジージらしい気持ちをお返しできるリターンをご用意したいと、知恵を絞りました。
いただいたご支援は、OPEN SESAMEの維持費(固定費、人件費、その他経費)、リターンの制作費、CAMPFIRE手数料などに使わせていただきます。
このプロジェクトは、「All-or-Nothing方式」で実施しますので、目標金額に満たない場合は実施されず、支援を表明していただいた金額のお支払いは発生いたし
ません。
Japan Theater Clown Company OPEN SESAME
ロネ&ジージ
最後に
またロネ&ジージに会いたい、また見てみたい、続けて欲しい、
そんな気持ちをぜひお寄せください。
もし、私たちが挫折してしまったら、理論と系統だったシステムを持ったクラウンのハウツウは、国際交流がさらに難しくなった現状を考えると、また100年以上の時を待たないと、日本には入ってこないでしょう。
どうかどうか、よろしくお願いいたします。