□ はじめに・ご挨拶
初めまして石井雅史です。競輪練習中に交通事故に合い引退しパラサイクリストになりました。
障がい名は『高次脳機能障害』です。「短期記憶障害」含め順序良く進めていくことが、ちょっと苦手になりました。
少し私の経歴を紹介させてください。
1972年 神奈川県生まれ
1993年 競輪選手になる
2001年 ロードワーク中の事故により障がいを負ったことにより競輪選手を引退。
2006年 リハビリを重ねパラサイクリストとして競技へ復帰。スイスでの世界選手権に出場させていただく。
2008年 北京パラリンピック4種目に出場させていただき金銀銅メダルをいただきました。残る一種目は落車リタイヤ(笑)
2012年 ロンドンパラリンピックに出場させていただき6位入賞。2016年 リオパラリンピックに出場させていただき6位入賞。
2016年 現役パラアスリートとしての活動は終了させていただきました。
私も48歳となり、現役パラアスリートを引退して早4年が経ちました。
選手以外に特別な特技の無い私ですが、新しいチャレンジをしたいと思い続けてきました。
そんな時、10年来の自転車つながりの知人から自転車の “洗車店” の話を聞きました。
私にとって自転車はただ道具とは思えないんです。自転車をいつも綺麗にしておくことで愛着が生まれ大切にするようになる。その気持ちは安全運転につながると信じています。
そんな仕事があるなんて夢のようです。
そこで、この度『SENSHA Bicycle Japan』ご協力の下、『SENSHA Bicycle 湘南』をオープン致します。起業という簡単ではないチャレンジになりますが、私は障がいを負う前も負ってからも自転車を通じ、自分を信じて突き進んできました。新たな目標に向かって進んでいきます。
自転車人生の原点
中学生のときに、テントを背負って鍋をもってコンロをもって、神奈川から伊豆へ行ったことだと思います。自分の脚で知らない土地まで。ものすごく遠くまで行った気がしたのを覚えています。
自分をいろいろなところまで連れて行ってくれる自転車に惹かれていきました。
生きる力をくれた自転車
中学校のときに自転車競技を知りました。そして、自転車を職業に出来ることを知り競輪選手になることができました。そんな時、ロードワーク中の事故に遭い高次脳機能障害を負いました。
最初は自分自身のことが理解できない状態でした。まず歩くことから始めましたが、自転車を見て頭が覚醒してきたことを覚えています。病室に自転車を持ち込み、少し動けるようになってからは、リハビリセンターの周囲を自転車でまわりました。
好きなものはやめられませんね。
正式に引退する際に競輪選手会に「まだ競技をやりたかったんだ。」ということを伝えたところ、障がい者でも参加できる競技を紹介していただきました。それがパラサイクリングです。
ただ、主治医からは5年間は競技へ参加することを止められていたので、2006年から医師の許可を得て競技に復帰しました。復帰してからは体調もどんどん良くなってきて、生活面でも活き活きと出来るようになっていきました。
自転車が生きる力をくれました。
□ このプロジェクトで実現したいこと
実現したいことは、大きくわけて2つあります。
自転車も“洗車”して綺麗に乗ることの大切さ
先ほども少し触れましたが、自転車はただの道具ではないと思っています。いつも綺麗にして乗ることで愛着が沸いてきて、自然と安全運転になるものです。私自身、いつも感じていることです。
ただ、自転車を洗車するのは、なかなか大変だと思います。
「どうやって洗うの?」
「どこで洗うの?」
実際に、自転車の洗車専門店って、ほとんど無いんですよね。
私が自転車洗車店をオープンして、沢山の自転車を洗っていきたい。自転車も“洗車”して綺麗に乗る大切さを多くの人に知っていただきたい。そして、自転車に愛着をもっていただくことで安全運転意識につながり、自転車の事故の無い社会を実現したいです。
障がいは個性であってハンデではない。何でも工夫次第!
私の障がい名は高次脳機能障害です。ちょっと前にしていたことを忘れてしまうことがあるんですよね。
ただ、これは工夫次第で最高の仕事とサービスをご提供できると確信しています。
今現在、『SENSHA Bicycle 東京』で技術研修をおこなっています。作業内容はプロフェッショナルな洗車技術です。工程もいくつかありますが、例えば写真付きの工程表を作って終わった作業まで印を付ける。迷わないように作業をおこなうことで、完璧な仕上がりをご提供する。そんな仕組みづくりを構築します。
オープンまでの具体的な取り組み
・一目で分かる作業進行表