を鍛える手段となるのです。お子さんたちがこれからの時代を生き抜くには、5教科以前にまず考える力を育む教育をベースとしていく必要があります。
そのようなプログラミング教育の大切さを広く知っていただくための書籍出版です。この本を読んでいただければきっとあなたも、ダイヤモンドの原石のようなお子さんを「きらめく子に育てるプログラミング教育のパワー」についてお友達に伝えたくなることでしょう。
今回、出版社からの許可をいただき、この書籍のまえがきを特別に公開いたします。最後にお読みいただけると幸いです。
■まえがき
本書をお手に取っていただき、誠にありがとうございます。ここ数年「プログラミング教育」というキーワードをちまたでよく耳にするようになりました。2020年から小学校で必修化され、2025年には大学入試にも導入されるといわれているプログラミングですが、数年前には教育という分野にプログラミングというカテゴリーが加わることなど、きっと思いもされなかったことでしょう。ではなぜここ数年で急にプログラミング教育がこれほどまでに注目されるようになったのでしょうか?
13年以上にわたってプログラミング教育の第一線で活躍してきた私から言わせると、プログラミング教育の価値そのものが急に変化したわけではありません。元々それ自体に高い価値があったものの、それが教育に及ぼす影響についての認識が不足していただけなのです。
たとえば、あなたが友人との待ち合わせ場所に向かうために道を歩いていることを想像してみてください。待ち合わせ場所に向かう途中で道端に鈍く光る小さな石が落ちているのを見つけます。何かと思って拾い上げてみると、それはどうもガラス玉のように見えます。そのときは特に何も価値を感じませんでしたが、とりあえずポケットに入れて友人に会いに行くことにしました。友人といろいろな話をしているうちに、ふとその友人が宝石に関して詳しい知識を持っていることを思い出します。まさかそんなことはないだろうと思いつつ、先ほど道端で拾ったガラス玉のようなものをポケットから取り出して友人に見せることにしました。あなたからそれを受け取った友人はよく観察してから驚いた表情でこう言いました。「こんなものどこで手に入れたの?これはとても価値のあるダイヤモンドの原石だよ」。
実際にプログラミング教育はダイヤモンドの原石のような高い価値を秘めているのですが、専門的な知識がない一般の人々から見るとそれはガラス玉のようにしか見えなかったことでしょう。もしかすると今本書を手にしておられるあなたも、これまでプログラミング教育に対して特に価値を感じられなかったおひとりかもしれません。しかし、本書を読むことで、あたかも宝石に関する専門知識を持つ友人からあなたの手にある原石の価値についてレクチャーを受けたかのように、プログラミング教育に対するあなたの認識は大きく変わることでしょう。
本書ではまず私自身のライフストーリーから、プログラミングが人の生きる力になることをお伝えしたいと思います。私がプログラミングと出会ったのは15歳のときで、プログラミングやITとははるかに縁遠い北海道の十勝平野でのことでした。貧しい家庭でお金がなくて、高校もろくに行けなかった中卒の私が、大手企業の研修講師として東大や京大卒のエリートを相手に教育を施すようになり、今ではNEC・LINE・富士通などの大手企業とコラボするプログラミング教育ブランド「ロジカ式」を運営する経営者となった経緯を知っていただくことで、生まれ育った環境や学歴に関係な