毛髪の場合は組織が生きた細胞ではないので、ハサミで切ろうが脱色しようが、または表面をシリコンで覆ってしまっても健康上何ら問題はありません。
しかし頭皮はどうでしょうか?
髪はサラサラつやつやになったとしても、頭皮や髪がふれる肌には、まったく必要のない成分が付着し、呼吸も出来ずダメージを受けます。おそらく、おでこや首回りにぶつぶつが出来たり荒れてしまった経験がある方も多いはずです。そんな方、よく見かけますよね。
一番の被害者は頭皮
頭皮はヘアケア製品から毎日、長期間ダメージを受け続けていきます。ここが怖いところで、気づかないうちに徐々に弱っていくのです。だから誰も自分が使っているヘアケア製品のせいだなんて気づきません。
髪は頭皮が変形した組織です。頭皮の毛根で作られるため、頭皮が弱れば髪は知らぬ間に衰え、やがて多くの方が薄毛やボリューム不足に悩むようになるのです。
これを多くの方は、ご自分の年齢のせい?と諦めているのです。
私はこれまで多くの女性の頭皮の状態を見たり話を聞いてきましたが、近年、特に若い30~50代の女性にも薄毛の悩みが多くなっているようです。
「そんな話信じられません」
「だって超有名なメーカーが宣伝しているじゃないですか!」
そうお思いになるかもしれません。でも一度、先入観を捨てて、よく考えてみて欲しいのです。
頭皮も肌の一部です
頭をリセットして考えてみましょう。
頭皮もお肌の一部ですよね。たとえば、洗顔する場合はいかがでしょう?もしも汚れを根こそぎ取り去るような洗顔を行ったら、肌から潤いがなくなり肌は突っ張りまくって肌荒れを引き起こしてしまいます。
洗顔は、潤いを残して汚れを落とすことは今や常識です。頭皮もお肌のケアと基本は同じ。だって頭皮も肌の一部ですから。
お肌と同じように優しくいたわり、頭皮の仕組みにあった適切なケアを行って頭皮がしっかり働ける環境を作ってあげることが大切です。ボリュームがある艶やかな髪にしていくために、先ずは頭皮をお肌と同様にいたわる事から始め必要があるのです。
肥沃な土壌に草花が咲き誇るように、すこやかな頭皮になれば、必ず健やかな美しい髪が生まれてくるのです。
頭皮の仕組みにあったケアを
では頭皮はどんな仕組みで健やかに保たれているのか考えてみましょう。
実は、私たちの肌の上には様々な菌が棲んでいます。ちょっと想像しにくいですよね。しかし、お腹の調子を整える「乳酸菌」(腸内細菌群を「腸内フローラ」と言います)と同じように、肌の上にも菌の生態系「肌フローラ®」があります。そして、そこには、わかっているだけでも20~30種類、1兆個もの菌が棲んでいるといわれています。これは頭皮も同じなのです。
この常在菌たちは、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見(ひよりみ)菌」の3種類に分けられます。肌にとって有益な働きをするのが「善玉菌」、有害な働きをするのが「悪玉菌」、状況によって有益にも有害にもなるのが「日和見菌」です。
善玉菌は、汗や皮脂から天然の保湿クリームを作り出して頭皮の潤いを保ったり、外部の刺激から守ったり、頭皮をすこやかにするための大切な働きをしています。
ですから適切な「肌フローラケア」を行うことで、これらの菌たちがよろこぶ環境にしてあげれば「肌フローラ」 が