LGBTQ当事者たちは、きっと皆さんのすぐ近くにいます。例え、本当の自分をカミングアウトしていなかったとしても・・・。もしも当事者たちが、“言いたいけれど、言えない”のだとしたら・・・声をあげるべきは、むしろ私たち非当事者の方ではないでしょうか。
人それぞれ顔が違うように、性格が違うように、みんなそれぞれ違ってて良い。自分らしくて良い。
性自認や性的指向もこれと同じです。男性、女性だけではありませんし、好きになるのは異性とは限らないのです。LGBTQを語るとき、「グラデーション」という言葉がよく使われるのはそのためです。
「ダイバーシティ(多様性)」が実現された素晴らしい世界は、きっと考えるものではなく、初めからそうだったのだと“思い出す”ものではないでしょうか。
マイノリティ(少数派)に優しい社会は、マジョリティ(多数派)を含むすべての人にとって優しい社会であるはずです。
LGBTQ当事者に対してはもちろんのこと、私の考えるALLYとは、自分とは異なる考えや価値観、存在そのものを認め、そして許せる人のことです。
私は地元であるここ関西から、そんなALLYの輪を広げていきたいと考えています。
【プロジェクトをやろうと思った理由】
私は2018年10月より、大阪を中心としたLGBTQ関連の様々なコミュニティに毎月参加してきました。
私はそこで、驚くほど多様な性自認と性志向があること知り、それ故に学校や職場での孤独感、カミングアウト出来ない辛さ、親との確執、差別や偏見・・・など、当事者の皆さんが抱える生き辛さを知りました。
しかし、ここに興味深いデータがあります。『OUT JAPAN』(2020年12月)の記事によると
「性的マイノリティに関して人々がどう認識しているかを尋ねた意識調査の結果速報が発表され、同性婚に賛成する人の割合が64.8%に上り(20代〜30代では8割)、性的マイノリティに対するいじめや差別を禁止する法律・条例の制定には87.7%の人々が賛成していることが明らかになりました。」
とのこと。こうしてみると理解は進んでいるはずなのに、当事者が未だに社会で生き辛さを感じているのは何故でしょうか。
ひとつは、非当事者の多くが「自分ごととして捉えにくい」ということです。
私のように「これまで自身の周囲にカミングアウトしている当事者がいた」というケースを除けば、基本的に自分の身近に当事者がいることすら知らない人がほとんど(実際は11人に1人が当事者であるから身近に居る可能性は高いはず)であり、 「自分ごと」として捉えにくい現状があります。
もう一つは、何か力になりたいと思っても「何をすればよいのかわからない」というものです。
おそらくその根底には「傷つけてしまったらどうしよう」という不安があるように思います。実際に私もコミュニティに初めて参加した時、聞いてみたいことは沢山あったはずなのに、自己紹介以外は何も話せませんでした。寄り添いたいと思う反面、もしも傷付けてしまったらどうしようと、とても不安だったことを覚えています。
この『約8.9%の当事者ではなく、残り約91%の人たちが声をあげ、ALLY(アライ)であることを表明する社会をつくることができたら…』と願うLGBTQ当事者と、『何をして良いのかわからない、自分ごととして捉えられない』非当事者をどうすれば結び付けることができるのだろう・・・私はこの2年半、ずっとそのことを考えてきました。AL