ご挨拶として“戸惑いと決意”
東京都八王子は、古くから織物業で栄え、その商談の場所として八王子花柳界が生まれました。現在では地域活性、文化継承に力を注ぎ、親子で体験できるプログラム、稽古場見学やお座敷体験など、文化に親しめる活動を企画しております。しかし、行動に制限がかかり宴席や接待の中止が相次ぎ、イベントも無くなってしまい、私達芸者衆はどうしてよいか戸惑いと不安しかありません。そうした中、新たな時流として注目が集まるクラウドファンディングへの挑戦に望みを繋ぎ、上を向き笑顔で舞台に立ち続けたいと想いを募らせるに至りました。
八王子をどりとは
現在18人の芸者衆が在籍しておりますが、昭和60年代に一旦お座敷文化が形を潜めてしまいました。世間ではバブル期。経済成長は著しくもある中、取り残されてしまった文化でもあります。その反面、八王子を愛する心は脈々と受け継がれ、地元のお客様が中心となり、八王子芸者衆の存続を後押しして下さり、後援会「八王子黒塀に親しむ会」を設立して下さいました。そして芸者衆のハレの舞台であります、念願の「第一回八王子をどり」を7年前に初めて上演することが出来ました。3年に1度の開催で、2020年は第三回目の開催の年でございましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で延期となってしまいました。
ルーツと普段の活動
明治40年に芸妓組合が発足したのが始まりです。
江戸時代より養蚕や織物が盛んであったことは広く知られ、商談後の接待やおもてなしも華やかでした。
そんな花柳界の魅力をあげるとすると、
其の一 和のおもてなしである踊りや演奏を楽しんで頂ける
其の二 親しいお仲間との贅沢な時間を共有できる
其の三 四季折々のお料理や、しつらえを楽しんで頂ける
どうしても敷居が高いと思われがちですが、体験型の見学や地域イベントへの参加で、多くの方々に身近に感じて頂ける活動を行っております。最近は、動画配信やタウン誌などにも積極的に情報発信を行っております。
なくてはならない「和のこころ」
これまで継承してきたお座敷文化といったものが、コロナ感染症の影響により人々の意識から薄れていってしまっております。命に代えることはできないので、仕方がないとは思いつつも胸中は複雑です。とは言え、今だから芸者衆にできることもたくさんあるはずです。こんな時こそ、笑顔を忘れずに前向きに進んでいきたいと思っております。
これからの活動
新型コロナウイルス感染症の影響で延期になった「八王子をどり」の開催に向けて準備をして参りたいと存じます。本プロジェクトで集まった資金をもとに、十分に対策をとって取り組んで参ります。
そして窮地を乗り越え、さらなる文化発展へ繋げていきたいと、強く思っております。そのためにも、「八王子をどり」をまず、再開させたいと切実に望んでおります。
資金の使い道
八王子をどりは、お客様にソーシャルディスタンスをとって安心してご覧頂くために、席数を半分にして開催する予定でございます。その為、チケット収入が半減してしまい、興業が難しい状況でございます。
頂きました資金は八王子をどりの開催の為のお稽古代、またお稽古場の確保、及び舞台運営費などに使わせて頂きたいと思います。
おわりのご挨拶として“想い”
芸者衆一同、新型コロナウイルス感染症の終息と皆様のご健康を第一に祈っております。
現在の窮地も一つの大きな歩みとして、覚悟と目標を新たにし、困難を乗り越えていきたいと思っております。
どうぞよろしく