たのしいたけで厚真の森を護る。北海道産原木しいたけの価値と魅力を届けたい

たのしいたけで厚真の森を護る。北海道産原木しいたけの価値と魅力を届けたい
ミズナラの森が広がる、北海道厚真町。100を超える池や沼が点在する水の豊かな町です。人口約4,400人のこの町では、農閑期を利用して原木しいたけの栽培がさかんでした。しかし生産者の高齢化などで収穫量も落ち、今では2軒の農家のみ。これは原木しいたけの存続と森を護る、林業の未来をかけたプロジェクトです。

一万年の恵みがつまった厚真テロワール

厚真の森は特別です。かつてこの地域は、細く入りくんだ天然の入り江でした。しかし、太古の昔に近隣の樽前山が大噴火し、火山灰が海に蓋をする形で土地が形成されました。そのとき、そのまま地層のなかに水の層が残ったと言われています。100を超える池や沼があるのは、そのためです。このおかげでミネラルを豊富に含んだ大地と、豊かな森林がこの町特有の厚真テロワールを生み出し、農作物に独特なおいしさを与え続けています。

引き裂かれた山々、北海道胆振東部地震からの復興

今から3年前の平成30年9月6日。厚真町を震源に震度7の地震が襲いました。引き裂かれたように崩れ落ちた山の斜面。赤くむき出しになった峰々。見たこともない光景が新聞の一面に載り、多くの人の記憶に刻まれることとなります。厚真の魅力だったミズナラの森も、広範囲にわたって傷つき、今もその痛みは消えていません。森の再生としいたけづくり。かつての森を取り戻すためにも、特用林産物である原木しいたけを生産することで、復興の道のりを歩んでいきたいのです。

( 画像提供:厚真町 )
このプロジェクトで実現したいこと

厚真町は北海道胆振東部地震による被害で復興の途中にあります。町の住民ももちろんですが、広大な厚真の森林が深く傷ついています。皆さんには、たのしいたけをおいしく味わうなかで、かつての姿を取り戻そうと力強く生きる森の息吹を感じていただきたい。そして、おいしく食べることで幸せを感じ、嬉しさと楽しさも味わっていただきたい。それが森を護ることにつながると信じています。
 今回のプロジェクトでは支援者100人を目標とし、より多くの人に知ってもらうこと、食べてみてもらうことを目指しています。どうか、厚真の森とたのしいたけを応援してください!

原木しいたけ栽培は森の循環のなかにある

現在、市場に多く見られるのは、おがくずなどを固め人工的に栄養分を添加した菌床栽培といわれるものです。対して原木しいたけは、森のバランスを守るために切り出された間伐材を利用します。水を蓄え、酸素を作り、虫や動物たちのすみかとなって森の役割を果たしてきた樹木たち。しいたけ菌は半年もの間、この何千本もの原木の寝床でおいしさのもとである森の栄養をみなぎらせていきます。そして秋から翌年の初夏にかけ何度も実らせては、原木の養分を使い切って収穫期間を終えるのです。では栄養もなくなり役目を終了した原木はどうなるのか。最後は灯油などの化石燃料に代わって、ハウスを暖めるための薪ストーブの燃料となり、真冬の寒さからしいたけたちを守ってくれます。まさにサスティナブルな暮らしにつながる循環型の取り組みと言えます。

北海道産たのしいたけがおいしいワケ

それは切り出した原木に、冷涼で清らかな雪どけ水が豊富に含まれているから。原木しいたけで有名な九州産との大きな違いは、そこにあります。厳冬の北海道ならではの雪の存在。春に向けて成長を始めた木々にとって、雪どけ水はまさに命のみなもと。雪どけのタイミングで切り出された原木には、長年かけて身につけた森の栄養と潤沢な水が全身にみなぎっています。この原木から生まれるのですから、たのしいたけのおいしさが格別なのも頷けてもらえるのではないでしょうか。

森と暮らしをむすぶ、たのしいたけ

厚真の山で伐採した原木を運んでくれるのは、馬のカップくん。クリーム色の毛並みも美しい道産子です。厚真町には「馬搬(ばはん)」という方法で林業を営む人物がいます。大きな重機を森に乗り入れず、周辺の木