びは例えようがありません。「よく出てきたね、かわいいね、おいしそうだね」と何度も話しかけてしまいます。たのしいたけとの毎日は、私たちに命を生産することの喜びを教えてくれるものです。
・震災を経験して気づいたこと
3年前のあの日、私たちは被災しました。人口約4400人の町で、37名もの方々が地震の犠牲となり、尊い命が失われました。これを札幌などの大都市に置き換えると、人口比で16,000人ほどの方が犠牲となる規模なので、厚真町にとって本当に大きな大きな悲しみです。比較的被害が小さかった私たちも自宅は全壊。倉庫2棟も無残に壊れ、建て替えることになりました。地割れや土砂崩れで稲刈りできない田んぼ。秋のデビューを待っていたしいたけも、原木約2万本が崩れ、棚も壊れてしまいました。しばらくは「困っているのは私たちだけじゃない」という思いと、途方に暮れる気持ちで揺れる毎日。そのなかで感じたのは、信じること。いろいろな人と助け合うことで信頼が生まれ、失ったものを数えることより、誰かを信じながら明るい方を見て一歩ずつ歩いていこうと思えるようになったのです。どうせ頑張るのなら、下を向いて歯を食いしばるのではなく、口笛ふいてスキップしながら、にこやかに。「ほがらかにたのしく暮らす」ことが私のテーマとなり、前向きなチャレンジの一つとして、真っ先に株式会社たのしいを立ち上げました。この震災を通じて私が得たものは、当たり前の日常が当たり前ではないことの大切さと、前向きに心を再生していくことの重要さでした。
・たのしいたけが教える、生きることのたのしさ
前向きなチャレンジの一歩となった会社の設立。厚真町から原木しいたけのおいしさを提案しながら、人と自然とのつながりを大切にしていきたい。その思いで進んできた震災からの3年間。たのしいたけとたのしく暮らしているうちに、少しずつ人が集まってくれるようになり、人とつながる嬉しさを味わえるようになりました。震災ボランティアの皆さんにたのしいたけを食べてもらったときに喜んでもらえたこと。しいたけ嫌いの人から「たのしいたけは食べられる」とお墨付きをもらったこと。たのしいたけがもたらす、たくさんの「おいしい」のおかげで、身近な消費者とのふれあいが生まれ、厚真の森を護りながら原木しいたけを栽培することの意味の深さを、「生きることのたのしさ」として教えてもらっています。
▲北海道大学のボランティアサークル「あるぼら」さんが収穫のお手伝いに来てくれたり、
( あるぼらさんからの許可を得て掲載しております )
▲大学生が長期滞在プロジェクトで農作業をしてくれたり。「おじいちゃんちより、厚真に通ってる」と嬉しいことを言ってくれる学生さんもいました。
( 参加者の許可を得て掲載しております )
▲厚真中学校のふるさとPRプロジェクト。地元の中学校が、動画を作成してくれました。
( 動画提供:厚真中学校 )
・料理のバリエーションは幅広く
しいたけ料理のレパートリーは、焼く? 煮る? あとは? 乾燥しいたけにいたっては、和食だけの印象がありますが、洋食でも中華でも、実はたくさんのレシピがあるのです。#たのしいたけレシピ というハッシュタグでレシピを紹介しています。ぜひ、ステイホームのご自宅で活用ください。タグを使っての投稿やコメントでのやりとりなど、コミュニケーションできたらとても嬉しいです。また今後も、新しいレシピや商品開発も考えていますので、ご期待ください。
・本格フレンチレストランにも
札幌円山にある一軒家レストラン