寿司の世界を変えようとしている男がいる。北九州の片田舎の戸畑から発信されるかつてない寿司は、まるでオペラのようなエンターテインメントとなり、世界を魅了した。ニューヨーク・タイムズの全面広告に掲載され、出演したYouTubeの再生回数は1億回を越えるという。北九州、戸畑という片田舎の町から彗星のごとく寿司業界に現れたのが、この「照寿司」である。
今回「照寿司」がいよいよ東京進出をするという。それもタッグを組むのは我々WAGYUMAFIAだ。今日はその全貌の一部をWAGYUMAFIA浜田がレポートする。
寿司を越えた照寿司という全く新しいカテゴリー
数年前、僕らはマカオにいた。マカオを代表するカジノMGMにて世界の美食家を目の前にして食を振る舞っていた。イベントの後に「照寿司」の大将こと渡邉貴義はこう言った。
「いやー、世界はスケールが別次元だった。俺はこの世界と勝負したい!」
そこから、全てが変わった。寿司をよりエンターテインメントにしていく渡邉。その名声はついには海を越えて、ニューヨークでの常設ポップアップデビューを果たした。それが冒頭でのニューヨーク・タイムズ全面広告につながる。凱旋帰国すると、戸畑にぞくぞくと海外の美食家が飛んできてくれた。もちろん、日本の名だたるシェフ、そして美食家たちもだ。これは「照寿司」という現象なのだ。
彼と一緒に過ごす時間が多くなってきたのは、このワールド・ツアー前後の頃だったように思える。世界をどう攻めるかを語り合い、海外からのオファーについては慎重に話し合ったりと、そしていつの間にかクリスマスはWAGYUMAFIAで照寿司をパフォームすることになっていた。今から思うとこの頃から照寿司TOKYOの構想は芽生えていたのかも知れない。恒例行事となったこのイベント「SUSHIMAFIA BY TERUZUSHI & WAGYUMAFIA」は、すでに来年の予約まで一杯となる伝説のイベントとなっている。
そんな彼といつしか東京で何かをやりたいという気持ちが日に日に募っていった。相方の堀江とハイボールを飲みながらバーで話をした。「照寿司は絶対やりたいな」と彼らしい即答だった。堀江は週に一度は全国で寿司を食べる大の寿司好きであり、寿司についての一家言を持っている。僕も寿司が好きすぎて自分で魚を捌いて握るようになった。海外での打ち上げはPRIVATE SUSHIMAFIAを開催したりもした。堀江の即答を受けて僕も「よし、やるか」と応じた。コロナで散々と痛めつけられたにも関わらず、WAGYUMAFIAの炎はどんどん大きくなっていった。
「東京は日本の玄関だよ。東京でやるんだったら北九州の魚もそうだけど、日本全国の漁師と仲良くなって日本の魚を世界に伝えたい!」
プロジェクトが決まると渡邉は力強く言った。よし、全国の漁師に会いにいこう。そして始まったのがJAPAN JETSET TOURだ。全国の漁師に会いに行ったり、漁港をまわったり、青森でマグロの一本釣りも体験した。切り身を並べて握っていくだけの寿司は終わった。魚をまるごとそのまま見せて、そしてそこからその魚全体を表現していく。それが渡邉のクエを一匹みせるパフォーマンスに繋がっている。
TERUZUSHI TOKYO BY WAGYUMAFIA
僕らは寿司の歴史において革命を起こそうと思っている。戸畑の照寿司に世界から人が飛んでくるように、そしてWAGYUMAFIAに世界からのオファーが殺到するように、この2つのブランドが寿司のこと、日本の魚の