ワインには色々な産地、ぶどうの品種など、1つ1つに特徴があり、選ぶワインによって、それぞれの人生を楽しむような体験をすることが出来ます。そんなワインの甘みや酸味など、繊細な味を美味しいところだけ味わって、もっとワインの時間を楽しく、感動的な体験をしていただきたい、というVacanti夫妻の願いから誕生したワイングラスです。
それは奥さんのマルガリータが飲んだ1本の赤ワインがきっかけでした。
オリと呼ばれる苦い沈殿物。これは通常、濃厚な味が特徴のフルボディワインに含まれています。オリがあるということは、ワインの質が良いことを表しています。
ですが、このオリは通常避けて飲むものであり、オリまで飲んでしまうというのは正しい飲み方ではありません。
マルガリータは濃厚で美味しいフルボディワインを楽しんだ最後の一口で
「うわ、苦い・・・」
と感じたことで、せっかくの気分が台無しになってしまいました。そんな経験から、美味しいワインを美味しいまま飲み終わりたい、という想いが生まれました。
そして、このオリをグラスの底に閉じ込めてしまう、魔法のグラスSpiraleが誕生することなりました。
Spirale(スピラーレ)は従来のワインの飲み方の常識を覆すグラスです。ですが、、使い方はとても簡単。
良質なフルボディワインの証でもあるオリ、通常はグラスに入らないように注ぐ必要があります。ですが、このグラスならオリが入っても大丈夫。
コルクの栓抜きにヒントを得た螺旋がボウルの底にあります。この螺旋に段々とオリが溜まっていくシステム。この螺旋がワインの美味しい部分とオリを分離します。そして、1度螺旋に囚われたオリはワインの最後の一滴でも再び上がってくることはありません。
せっかくの美味しいワイン、残り僅かなところがあなたの口に入ると、これまでとは一変、グラスから入ってきたオリが舌中から口の中へじわじわっと苦味が広がっていき、苦いけれど出すわけにもいかず、えい、っと無理やり飲み込む。そんな体験をすると、せっかくの良質なワインでも、楽しい時間が少し嫌になってしまいます。
でも、オリを味わう必要がなければ最後までワインの苦味に気を使う必要もなく、楽しい時間が続きます。
オリを避けて美味しい部分だけを楽しむ場合、事前に計画を建てる必要にがあります。ボトルを静かにおいておき、舞っていたオリが落ち着くのを待つ。
デキャンタに移し替えて、オリのない部分とオリがある部分を分ける。
分離させたオリが入らないよう、オリに気を使いながら静かに注ぐ。たまにならこういった準備も楽しみかもしれませんが、毎回毎回となると手間になります。でもグラスがオリを処理してくれるならこういった事前の準備が不要になります。あなたがするのはワインの時間が始まったらグラスに注ぐだけで準備は完了です。
このコルク型の螺旋デザイン、実際にオリが取り除ける形にするまでに何度も何度もテストを重ねました。そして、このデザインの完成のために意見をもらったワインの専門家の数はなんと600人以上。ワイングラスの小売業者、ワインの専門家、ソムリエ、ワインの生産者、レストランなど、ワインに携わるあらゆる人に意見をもらい、ついにこの形、システムを完成させることが出来ました。
2012年にこのSpiraleグラスの構想が始まり、製品化に至ったのが2016年。実に4年ものテストを重ねて、ついに完成させることが出来ました。
4年かけて出来たワイングラスは世界で沢山の方に支持されました。なんと、累計約1942万