だれもが訪問美容を受けられる社会に。そのために、介助クッションの存在を広めたい

だれもが訪問美容を受けられる社会に。そのために、介助クッションの存在を広めたい
高齢化に伴い、自宅や施設で美容サービスを受けられる「訪問美容」のニーズが高まっています。しかし、美容師には「介助」をする資格がないため、サービスを受けられないお客様がたくさんいます。介助することなく施術を可能にしてくれるクッションの存在を広めることで、より多くの方に訪問美容を届けることに挑戦します。

突然ですが、皆さんは普段どのくらいの頻度で美容院に行っているでしょうか?

コロナ禍で頻度が減った方もいるかもしれませんが、数か月に1回、多い方だと月に数回通う方もいるかもしれませんね。「理美容」というのは、衣食住とは異なり、なくても生きていけないわけではありませんが、人生をより豊かにしてくれるものだということに異議のある方はいないでしょう。

それは日本の人口の約30%(2021年)を占めるご高齢のかたにも同じことが言えます。年を重ねて、身体が言うことを聞かなくなっても、綺麗でいたい、清潔感を保ちたいと思うのはとても自然なことです。

しかし、後期高齢者の2割以上は介助を必要としており、いつでも気軽に美容院に行けるわけではありません。そこで近年、自宅や施設に美容師が訪問して美容サービスを届ける「訪問美容」のニーズが高まっています。

こんにちは!フリーランス美容師の細川晃浩(ほそかわ あきひろ)です。名古屋を中心に訪問美容をしています。

訪問美容を始めて15年、今まで2,000人以上の方々と携わってきました。

訪問美容は実際に自宅や施設にお邪魔するため、「美容師とお客様」の枠を超え、家族のようなお付き合いをする関係性になることも多く、美容室とはまた違ったやりがいを感じています。特にお客さんの生涯や節目に携われるのはこれ以上ない魅力です。

ニーズに対してまだまだ足りない「訪問美容師」。必要な人にはまだ全然届いていない。

そんな魅力にあふれ、お客様のニーズも高い「訪問美容」ですが、実は訪問美容師の数は全然足りておらず、まだまだ必要とする方に訪問美容を届けられていない現状があります。
訪問美容師が足りていない理由①

そもそもの美容師の数が減少している(※)。

訪問美容師が足りていない理由②

美容師資格を持っている人の大半はサロン勤務者と休眠美容師(※)

免許を持っている国内の美容師は約120万人、その内サロンに勤めている美容師は約50万人です(※)。しかし残りの約70万人の多くは休眠美容師(資格は持っているものの、現在は働いていない美容師)と言われており、訪問美容師はそのうち残りわずかです。

時短なら復帰できるという休眠美容師の方も多くいますが、仕事の性質上サロンでの時短勤務は難しい現状があるようです。その点、特定のサロンに勤務しない訪問美容という形であれば、時短復帰が比較的しやすい環境となっていますが、訪問美容に取り組んでいる方は未だ少ないのが現状です。
注)一部サロン単位で訪問美容に取り組んでいる方もいます。

それはなぜなのか。その原因の一つとなっているのが「介助ができない」という課題です。
介助ができないと訪問美容は難しい!

ここでいう介助というのは、サポートを必要とするご高齢の方の身体を支えたり、アシストすることのことです。ですが、介助をするには介護系の資格が必要となります。

訪問美容は、自宅や施設で行うため、必ずしも施術のための設備が整っているわけではありません。それに加えて、訪問美容を希望しているかたの中には、施術の際に体勢の保持などが必要なかたも多く、介助ができないことへの不安は美容師が訪問美容に取り組む大きなハードルとなっています。

介助することなく、介護が必要な方の姿勢を保持し、美容施術を可能にしてくれるクッション

これまで私が訪問美容を行ってきた中で、「介助」ができないことで「手伝えなくてごめんね」「手を煩わせてごめんね」とお客さんとやり取りする場面がたくさんありました。

しかし、このクッションに