はじめに・ご挨拶
皆さま、こんにちは。
数ある中から、このプロジェクトをご覧いただき誠にありがとうございます。
農家レストラン「 山古志ごっつお多菜田(たなだ)」 代表の五十嵐なつ子と申します。
山古志のごっつお多菜田は、2004年の新潟県中越大震災で壊滅的被害を受けた村(旧山古志村)を少しでも元気にしたいと、被災の3年後オープン。今年で13年目を迎えました。
多菜田のメニューは山古志で昔ながらに食べられてきた“農家のかあちゃんめし”です。
山で採れたキノコや山菜を使った料理や昔ながらの郷土料理が中心
お米は棚田で獲れた山古志産コシヒカリです。山古志のこと
旧山古志村、現新潟県長岡市山古志は、その名の通り山だらけで決して便利な場所ではありませんが、国の重要無形民俗文化財に指定されている「牛の角突き」や泳ぐ宝石と言われる「錦鯉」の養殖など、古くからの文化や風習、産業、その背景となる棚池・棚田など豊かな自然が残っています。
そして、県内外の観光客のほか、錦鯉においては世界に広がるネットワークで各国のバイヤーさんが訪れ、外国語も飛び交う特異な地域です。
巨体の牛がぶつかり合う迫力に歓声が!4月から11月まで開催の「牛の角突き」は山古志が誇る伝統文化一つ
山古志の「雪の恵みを活かした稲作・養鯉システム」は、地域に脈々と受け継がれてきた稲作や養鯉など、棚田・柵池資源を活用する日本を代表する農業システムとして農業遺産に認定されています。
一方で、過疎化が進みこの20年で半減した人口は、今や900人足らず。高齢化は50%を超え(多菜田のスタッフも平均68歳です)、10年後には集落の維持ができないと言われる限界集落と同じです。
そのなかでも、冬は雪に囲まれ「陸の孤島」となる昔の暮らしから生まれた、雪国ならではの食材保存の工夫や暮らしの知恵が、今では食文化となり受け継がれています。
限られた農地で育てる野菜やお米のほか、山の恵み(とにかく山は宝のヤマ!)も豊富。毎年4月下
旬ころから、山の斜面の雪どけを追いかけるようにスクスクと山菜が生えてきます。この時期にしか採れない山菜をこの季節ならではの食べ方で楽しむほか、塩蔵や乾燥で保存したものは貴重品としてハレやケの行事食でも食べてきました。
多菜田はこのような食文化を守り伝える場所として、そして、未来に向けて伝えていきたいと思っています。
集落を一望できる厨房で
農家レストラン「山古志ごっつお多菜田」のこと
新型コロナの影響を受け、この1年間でお客様の数は6割減しました。
昨年の春から状況が一変、首都圏のお客様はもちろんのこと県内からもほとんどいらっしゃいません。
また、今冬は新潟県内での異例の降雪が重なり、冬でも例年ならば週末は40人ほどだったお客様が、今年はゼロに近い状況です。また、地域の会議や寄合い(会合)でご用命いただいていた「山古志弁当」「多菜田弁当」の注文も数えるほどしかありません。
お弁当の配達は、山間部の一人暮らしのお年寄りの見守りも担う。
週2度の活動が地域に貢献できていると感じられる場面だ この状況下をなんとか持ちこたえたいと思い、申請を試みた持続化給付金は支給が叶わず・・・。自己資金と借入れでこの1年間を踏ん張ってきましたが、この資金も春には底をつき、さらに厳しい状況となります。
やってくる春、そして多菜田は
山古志は、まだ冬の景色ですが、目には見えない春の気配が感じられます。
雪どけと同時に木々が芽吹き、やってくる山菜のシーズン。例年は5月になれば牛の角突きも始まり、多くのお客様がいらっしゃる春はワクワクの季節!ですが、今年は違います。
現在はスタッフを交代で休ませるなど開店休業に近い状態で、見えない先行きに気持ちは沈みます。ワクワクの春のはずなのに襲ってくるのは不安な気持ちばかりです。
「この食堂も終わりだろうか・・」。
そんな時、思い起こすのは、2004年の新潟県中越大震災で旧山古志村が全村避難をし、その後、山に戻った時のこと。被災から3年経っても復興支
援で山に入ってくださる沢山の方々がいて、その一人ひとりに恩返しがしたくて「山古志の食材を使った山古志の料理を食べてもらおう」「私たちが元気な姿でここで頑張っている姿を見せることが恩返しになる」と始めた食堂です。
この場所がなくなったら、気軽に立ち寄ってもらうこと、山古志の食文化を伝えることもできなくなってしまう。私たちができることへの支援をみなさんにお願いしようと思い始めました。
まだまだ雪深い山古志の景色。雪どけは4月に入ってからです。
このプロジェクトで実現したいこと
「山古志の食文化を守りたい」。そのために「多菜田を存続させる」
新しい生活様式は、お店にお越しいただくことがかなわない状況を生みました。だから、お店にお越しいただくことだけでなく、山古志の食文化を知っていただくための取り組みにチャレンジします。
そして、春からは地域おこし協力隊の受け入れが決まっており、若い方のアイディアを取り入れながら、山古志の食文化を知る場所として、そして誰もが立ち寄れる憩いの場としても、山古志のごっつぉ(ごちそう)を作り続けたいです。
山古志で採れたものをふんだんに使った多菜田の定食山古志の食文化
山古志の雪が多くて、標高差があって、寒暖差がある環境は、野菜やお米を美味しくします。そして、山の中で不便だからこそ培われた食文化。多菜田では、この地域で作っていたもの、食べてきたものを、お出しすることにこだわっています。
車麩、ぜんまい、こんにゃくの煮もの
ゼンマイなど山菜は、春先に採ったものを保存し年間を通じて提供する震災以降の山古志を盛り上げてきた特別な伝統野菜「神楽南蛮」
ごつごつとしてシワが深い様子が神楽の面に似ていることから名付けられたもの。ピリリとした辛味が特徴で「神楽南蛮味噌」や「ひとつぶ煮(まるごとの佃煮)」にして山古志では昔から日常的に食べられてきました。多菜田では馴染みの神楽南蛮味噌のほか、新しいレシピ開発もしています。
ニューフェイスの神楽南蛮カレーライス
は、すっきりとさわやかな辛味が特徴
中越大震災での被災から守った種が、現在の神楽南蛮を実らせています。
そのほか、地域の野菜や取れたての山菜、保存食や加工品を販売している多菜田併設の直売所は、地域の皆さんとお客様の交流の場にもなっています。
山菜の種類も豊富
資金の使い道・実施スケジュール
ご支援の資金の使い道は、お礼の品(リターン)、発送料・手数料を差し引き、残りの全額を多菜田存続のための運転資金に充てさせてください。
山古志の食文化を伝えるため、この場所を存続させることに注力したいと思います。
▪️スケジュール
令和3年 3月中旬 クラウドファンディング開始
令和3年 4月下旬 クラウドファンディング終了
令和3年 5月上旬〜5月中旬 リターン品準備期間
令和3年 5月中旬以降 リターン品発送開始
リターン(お礼の品)のご紹介
【3,000円】
お気持ち支援コース
クラウドファンディング終了後に、いただいたメールアドレスにお礼のメールをお送りします。
【5,000円】①②③④からお選びください。
①作ってみよう!煮菜キット(2人前、煮菜、うち豆、調味料)
②山古志の越冬コシヒカリ(1.5キロ)と神楽南蛮の加工品セット
③絶品!手打ち蕎麦(2人前)とくるみ味噌セット
④多菜田食事券3,000円分とお礼のメール
【8,000円】①②③からお選びください。
①作ってみよう!煮菜キット(4人前、煮菜、うち豆、調味料のセット)と山の手作りこんにゃくセット
②届いたらすぐ食べられる!採れたて山菜直送便(ウド、処理済みワラビなど山菜3種)
③山古志の季節の野菜詰合せ(神楽南蛮ほか野菜5種)※発送は7月中旬以降となります。
【10,000円】①②からお選びください。
①ドンと届きます!山古志のお楽しみBOX(お米と山菜の詰め合わせ)
②多菜田食事券7,000円分とお礼のメール
【15,000円】
店主と行く山古志山菜採りワークショップ(半日コース
)(5月開催予定)
【30,000円】①②からお選びください。
①ドーンと届きます!山古志のお楽しみBOX(お米や山菜の詰め合わせ)
②令和3年度 山古志産コシヒカリ新米 20キロ(10月下旬発送予定)
【50,000円】①②からお選びください。
①ドドーンと届きます!山古志のお楽しみBOX 2回(春・秋)
②店主と行く山古志山菜とりワークショップ(プライベート1日コース)(5月開催予定)
【100,000円】
ドドドドーンと届きます。山古志のお楽しみBOX 4回(春・夏・秋・冬)
長岡野菜の1つである体菜(たいな)を塩蔵保存し、冬期間に食べる煮菜(にな)は、新潟県中越地区の郷土料理。塩抜きしたものを含め煮にし、油あげや打ち豆(大豆をつぶしたもの)、酒粕入りがあり、各家庭によってバリエーションが異なるが、どれもおいしい。
最後に
ここまでお読みくださり、本当にありがとうございます。
四季折々の山古志で生まれ、育ってきた私にとって、祖母や母が作ってくれた山古志の料理の思い出は、今の私を作り上げたとても大きな存在です。手間はかかるし、決して華やかさはないものですが、子どもの頃に家族で食べた記憶、手伝いをした記憶は、大切な宝物です。
今の山古志は人口も減り、高齢者が多くなりました。集落の担い手も不足しています。そして、山古志の食文化もいつか途絶えてしまうかもしれません。
ですが、多菜田があるお陰で、この山での営みやお越しになられる方々との日々のやりとりが、どれも私たちにとってはかけがえのないものなっています。ここに来られなくても、今回のような方法で、発信したり何かを続けて行くことに意味があると思っています。
私以外でも多菜田があってよかったと思ってくださる方がいると信じて、今を頑張りたいと思います。
みなさまのお力をお借りする形になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
【農家レストラン 山古志ごっつお多菜田】
住所:長岡市山古志虫亀947
電話番号:02
58-41-1144
営業時間:11時~14時
定休日:月曜・木曜
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。