います。トランスジェンダーの約9割が就職活動の際に困難を感じたという調査もあります。私たちは、そのような差別的な履歴書を変えるためにネット署名キャンペーンをスタートし、厚労省や経産相、履歴書メーカー等へ署名の提出と申し入れを繰り返しました。
その結果、昨年12月には履歴書メーカー最大手のコクヨが性別欄のない履歴書の販売を始め、今年4月に厚労省が国として初めて性別欄を任意とする新たなモデル履歴書様式を示すなどの大きな変化が起きてきています(「日本の「履歴書」は差別的? 政府が新モデルを提示。国際比較も」)。
LGBTQの取り組みに関する取材実績(一部)
2021年5月22日 東京新聞
「#職場でのアウティングは労災」…労災申請の同性愛者の男性、6月に厚労省に署名提出へ
2021年04月16日 NHK
履歴書の性別欄に男女の選択肢設けず 厚労省が案作成
2021年4月7日 NHK
職場で「アウティング」被害者に会社が謝罪 解決金支払う 東京
2020年12月23日 日本経済新聞
コクヨ、性別欄ない履歴書発売
2020年06月30日 huffingtonpost
「カミングアウトを強制される」 履歴書の性別欄の削除求め、トランスジェンダー当事者らが会見
2020年6月12日 朝日新聞
「上司がアウティング」同性パートナー持つ男性が会見
解決したい社会課題
その一方で、実際に私たちの窓口へ相談を寄せ、解決に結びつくケースはまだまだ氷山の一角です。
国のデータからはLGBTQの労働問題の深刻さがわかります。2020年に厚生労働省が国の事業として初めて職場のLGBTに関する実態を調査しましたが、その調査ではLGB(同性愛や両性愛者)の約4割、トランスジェンダーの約5割が職場で困りごとを抱えているという高い数値が示されました。
また、実際に職場で「同性愛やトランスジェンダーをネタにした冗談、からかい」などを見聞きしたことがあると答えた人は、LGBの19.2%、Tの24.8%にのぼりました。こうした状況下で、性的マイノリティであることを理由に職場で不快な思いをしたことや働きづらくなったことがきっかけで転職した経験について問うと、LGBの5.8%、Tの20.4%が経験があると回答しています。
そして、働くうえで困ることがあった場合の相談先に関する調査項目については、「相談先がない」という回答が最も高く、レズビアンの30.9%、ゲイの40.7%、バイセクシュアルの37.6%、トランスジェンダーの44.7%に上っています。
以上の調査結果からは、LGBTQは職場で多くの深刻な困難を抱えている現状が確認できるとともに、そのような困難を抱えた際の受け皿になる「相談機関の不在」が社会的課題となっていることは明白です。
このプロジェクトで実現したいこと
そのような現状を変えるために私たちは活動をしています。相談活動などPOSSEの活動の主力を担うのは、学生や若手社会人のボランティアです。相談を受けたのちには、弁護士や労働組合とも連携しながら、会社に解決を促したり、メディアなどを通じて社会的なキャンペーンを行い、LGBTQの人権擁護を目指しています。
活動は主に寄付や助成金から成り立っていますが、LGBTQの取り組みは始まったばかりで、さらなる活動の充実のために資金が十分にあるとは言えない状況です。そこで、今回、皆さんにお願いしたいのは、私たちのLGBTQの労働環境を改善するための活動に対する寄付です。
このプロジェクト