はじめに・ご挨拶
宮崎県日南市で、本業の建設業と兼業で、平成26年からチヨウザメの養殖を開始し「日南キャビア」というブランドで製造販売している株式会社中幸組です。
当社では、「シロチョウザメ」「シベリアチョウザメ」「ロシアチョウザメ」「コチョウザメ」「ベステルチョウザメ」を養殖しており、キャビアの製造まで自社一貫体制で行っています。
宮崎県は、キャビアの産地化を目指すため、十数年前から官民一体でキャビアの事業に取り組んでおり、チョウザメの養殖は県内十数事業所で行われており、国内トップです。
(キャビア加工専用施設)
(養殖場)
チョウザメの特徴
(コチョウザメの成魚)
チョウザメは、生きた化石とも呼ばれる古代魚で、うろこの形が蝶に似ていることから蝶鮫(チョウザメ)と呼ばれ、「鮫」の仲間ではありません。サメが軟骨魚類に属するのに対し、チョウザメは硬骨魚類に属し、サメとは全く異なる魚です。腎臓があるため、鮫独特のアンモニア臭はまったくしません。
■チョウザメは機能性成分を多く含んだ優秀な魚です。
青魚に多く含まれているEPA、DHAは、
血液をサラサラにし、中性脂肪やコレステロール値を下げる効果と、脂肪酸の合成に関わる酵素の働きを抑制する作用があり、脳血管障害や虚血性心疾患などの病気予防に役立つ他、抗炎症&抗アレルギー効果、精神安定効果、眼精疲労抑制効果、肌の潤い効果などがあると言われています。
鶏肉や牛肉豚肉に多く含まれているカルノシンは、
筋肉の中でつくり出されるアミノ酸の一種で、活性酸素を抑える働きがあり、様々な動物の骨格筋に広く分布し、「疲労回復効果」「運動能力を向上させる効果」「アンチエイジング効果」「生活習慣病を予防効果」があるとされています。
地元日南市がシロチョウザメの魚肉を分析した結果は
100gあたり EPA(1030mg) DHA(440mg) カルノシン(370mg)でした。
※ EPA、DHAはイワシやザバに、カルノシンは鶏のモモ肉に相当するものです。
(コチョウザメの丸焼き)
その昔、中国では高級魚で「皇帝の魚」として献上されていました。
数年前に、アラスカ在住の日本の方が当社のキャビア施設を見学に来られた時に、アラスカではチョウザメは1尾のままオーブンで焼き上げ、みんなで切取りし、塩で食べるのがシンプルで美味しく一般的だと言われました。
日本では何キロ、何十キロになるチョウザメを1尾のまま入れられるオーブンをお持ちの家庭は少ないと思います。
コチョウザメは、体長50cm前後で、頭と尾びれを除けば25cm前後で、スーパーで売ってあ
るちょっと大きめぐらいです。
(輪切り皮付き、魚というよりお肉?)
食べても美味しいコチョウザメをぜひ味わってください。
チョウザメの管理
当社の一般的な雌のチョウザメは、体長1m、重量10kg前後ですが、魚種によっては40kg前後になるものもいます。
(シロチョウザメの成魚)
■普段の管理
毎日、朝と夕の2回、餌やりに会社から片道20分かけて通っています。
暑さに弱い為、夏場は遮光ネットを一面に張ったり、用水路の清掃管理も大変です。
水中の酸素量は見た目ではわかりません。夜に用水路が詰まり水量不足で多くのチョウザメを犠牲にした経験もあります。
1年ごとに大きく成長するので、魚体と尾数に考慮して、新たな生簀に1尾ずつ移し替えます。
■雄雌の見分け
チョウザメは雄雌の区別が外見ではわかりません。3年目ぐらいに1尾ずつ、陸に揚げて下腹部を少し切って