「いつか終わりがくる」と頭で理解はしていても、生前葬という形になることで「何かあったの?」「死んじゃうの?」「病気なの?」と周りからも思った以上の反応があり、羅希阿丸さん自身も考え込んでしまう時期もありました。
突きつけられた終わりの時
ド派手に生前葬!の計画を進める中で、あかさんは地元の柩屋(ひつぎや)さんとコンタクトを取ります。実は世界からも注目される柩屋さんが同じ町内にあるのですが、そこで柩を作っておられるものづくりの精神に感銘を受けたあかさんは「羅希阿丸さんのオリジナル柩を作ったら喜ぶかも!」と考えました。
しかし結果は・・・
羅希阿丸さんは自分の柩ができるかもと聞いたことで「本当に最期の時が見える感じがした」と、想像以上に重く受け止めたのでした。それでも「最期は絶対にあるのだから、やりたいことをやって生きよう!後悔のない生き方をしよう!」と決意を新たにド派手に生前葬!に向き合うことを決めてくれました。
感謝を伝えるだけで本当に良いの?
毎週金曜日には、stand.fmで「公開コラボライブ会議」と称して羅希阿丸さんとあかさんがド派手に生前葬!の進捗状況などをお伝えしています。6月11日に第1回目をスタートし、さまざまなことを考え話し合ってきましたが、その中で「本当に感謝を伝えるだけで良いのかな?」という疑問が湧いてきました。
羅希阿丸さんの活動をよく知る実行委員会メンバーからも「羅希阿丸さんは、ライブの中でフランスに行けなかったこと何度も話してるよ? 本当はもう一度世界を目指したいんじゃないの?」という声があがりました。
私が聞く羅希阿丸さんの今後については、地元に帰って趣味を極めたいとか、集う場所を作りたいとか、忍者活動とはかけ離れた内容でした。ですから、もう忍者はいいのかな? と思っていたのです。
羅希阿丸さんは現代忍者として仲間達と「世界を目指す!」ということでお稽古を続け、2018年にはスイス遠征へ、そして2019年フランスで開催される世界最大規模のJAPAN EXPOの舞台に立つチャンスを手に入れたのでした。
スイス遠征では夢を叶えてド派手に演舞!
さぁ! 次はフランス! と思っていた矢先に、小腸穿孔により救急搬送され緊急手術。2週間後に予定していたフランスで行われる世界最大規模のJAPAN EXPOと出演を断念。仲間と誓った大舞台での演舞の夢は叶いませんでした。
仲間から送られてくる写真に「ワシもここに立つはずだったのに」と無念さを押し殺しながら仲間の成功を喜んでいました。
その後も再度世界を目指す!を目標に活動を再開するもコロナ禍でステージは全てキャンセル。自粛生活が長引くにつれ、世界を目指す気持ちはあきらめへと変わっていたのです。
音声配信で繋がった新たな仲間と新たな挑戦へ!
共に稽古した仲間たちの大舞台での演舞の動画を観つつもどこかに無念な想いがありました。それでもコロナ禍で始めたstand.fmでは、新しい仲間との出会いがあり、日々発信、交流を続ける中でコロナ禍ではあってもそれなりに楽しい毎日を過ごしていました。
しかし、ド派手に生前葬!を進めていく中で「本当にこのまま感謝の気持ちを伝えたら、後悔が残らないのか? 今のままで死ぬ瞬間に「後悔のない人生だった」と言えるのか? でも、もう一度世界を目指すなんて怖い。行けるかどうかもわからないし、自分だけではなく仲間の士気も高めなくてはならない。仲間達もこのコロナ禍でそれぞれに生きていくのに必死なのに、再び夢を追いかけることはできるのか?
様々な