その町並みのほぼ中央部、街道筋から「地蔵小路(じぞうこうじ)」と呼ばれる路地を山側に入ったところに、私たちが再生整備をしている旧料亭「寿ゞ家(すずや)」があります。そして、この寿ゞ家と地蔵小路を挟んで隣にある土地が、今回のプロジェクトの現場です。
寿ゞ家本館外観(北面) 8年前にはこの寿ゞ家も廃墟同然の姿でした。
まだ整備途中でもありますが、これからも先を見ながら変化し続けます。このプロジェクトで実現したいこと
現在「寿ゞ家再生プロジェクト」を一歩進めた形で、寿ゞ家が面する地蔵小路の一体的な整備「地蔵小路開発計画」を進めています。
そしてその中心的な活動が、寿ゞ家と地蔵小路を挟んで隣にある土地・通称「東の園」を今後100年以上皆さんに親しまれる庭「百年庭園」として整備する今回のプロジェクトです。
計画の詳細は、HPに掲載しています。→ 地蔵小路開発計画HP
軸となる「地蔵小路」(北側から)
足助の町並みを特徴づける代表的な小路の一つです。
地蔵小路開発計画の概略図です。
緑色の部分が外からも見える「庭」整備の場所で、その中でも今回の対象の現場は「東の園」です。
今後100年以上皆さんに親しまれるというのは、つくり上げた庭にお客さんとして来てもらうのではなく、庭そのものをつくり続けて、皆さんと一緒にその場所を育てていくことを意図しています。庭も造作したら終わりではありません。植えた草木も石も景色として整っていくように、そこに集う人たちが継続的に手を入れながら、その時々に町並みに必要な機能を入れていく、そうした庭にしていきたいと考えています。
そして、生い茂った樹木の伐採や倒壊しかけていた工作物の撤去、一部植栽の整備など、すでに作業に着手しています。
着手前の密林状態の「東の園」
藪を切り開き、樹木の伐採などの作業を続けてきました。
いろいろな方のお手伝いをいただきながら作業を進めています。
伐採したビワの枝葉の整理をしてもらいました。
埋まっていた排水溝の掘り出しもお手伝いいただきました。
藪が取り払われ地面があらわになり、明るくなった東の園の様子
これから本格的に百年庭園の整備にかかりたいのですが、、、
しかし、ここで問題が生じています。これまでの活動で発生した伐採樹木や、建築廃材に加え、今後の安全のために撤去する既設の塀や下屋などの廃材の運搬処分です。廃材で庭一面が埋まってしまう状況で、次の整備に支障が出てきます。一方で、もともと崩れかけていた塀や下屋の傷みもひどくなり、これ以上の放置はご近所の方や小路を通る方に被害を与える可能性も高くなり、早急な撤去の必要性が高まっています。
基礎も柱も腐っていて倒れかかっている東の園の塀
崩れがひどくなってきた下屋。
台風などで屋根が飛んでご近所に迷惑が掛からないように、早めに撤去したいです。
撤去した建物の廃材や伐採した樹木や草も予想以上に多量で、少しずつ処分していますが積み残しになっています。
放置された不要物なども藪を切り開くとともに多量に出てきました。これらの処分もしなければなりません。
倒れかかっている塀に、敷地に捨てられていた物干し台をつっかえ棒にしています。
様々な方にお手伝いをいただきながら作業は進めてはいるものの、コロナ禍でこれまで収入のあてにしてきた寿ゞ家の貸館利用や各種講演活動の機会も減り、この先の整備に必要な資金的には非常に厳しい状況です。しかし、コロナ後のことを考えれば、ここで歩みを止めるわけにはいかず、今回クラウドファンディングによる資金