感じている方もいるはずです。感染者や身近な人に感染者が出てしまった方の中には、言葉や暴力によって傷つけられた人もいるはずです。
コロナ災禍は「新型コロナウイルス」という存在によって呼び起こされたものですが、存在や努力を否定され、そこから立ち直れずにいるというような状況はあってはいけないと思っていますし、これは原子力災害からの福島で起きたことと類似性があるものです。
あの時の福島が経験した痛みは、いまや全世界が味わっているとも言えます。そしてあの時からの教訓は未だ、活かせていないことへの申し訳なさと悔しさがこみ上げてきます。
未来は予測は出来ませんが、同様に沢山の方が個々人の努力や生き方に関係なく、災害によって傷つけられたり、奪われたりすることは必ず起きるという思いもあります。
だからこそ、この10年間で得た学びをきちんと整理して伝えていくことが重要なのではないか、と考えるようになりました。
そのために何をしてきたのか
AFWの活動の目的
このようなことを考え、私たちAFWは、現在3つの目的意識をもって活動してきました。
1.事実とイメージとのギャップを埋める
まだまだ理解が進んでいない福島第一原発の現状とその周辺地域の現状を伝え、誤解から存在をむやみに否定されるような状況をなくしたい。
2.人生を豊かにするための教訓として、学びの集約と共有
福島の10年間の歩みをまとめ学びとして整理し、誰にとっても未来を豊かにすることに福島が扱われることで、福島=原発事故ではなく、福島=人生を豊かにする場所、という概念を社会で共有すると共に、被災住民と新たに被災地で暮らす人たちの存在意義に新たな価値を社会が見いだせるようにしたい。
3. 上記の2つを「教材」として整備することで、誰でも福島を知り、そこから学ぶということをできるようにしたい。
前回のクラウドファンディングでは、冊子を作成
一昨年、「福島第一原発を誰もが語り合えるものにしたい」という、クラウドファウンディングに挑戦をし、沢山の方にご支援を頂き、中高生の方からも気軽に触れられる冊子「福島第一原発と地域の未来の先に···~私たちが育てていく未来~」を創り上げることが出来ました。
この冊子では、福島第一原発と周辺地域の歴史を扱っています。原発事故前の歴史も含めて未来を考えていくために、東日本大震災と原子力災害が扱われることを、中高生からでもニュートラルに感じられるよう目指しました。
結果、原子力発電所が事故以前に地域にとってどのような存在であったのかということを伝えることができ、特に地元の方からはその部分を描いたことを評価していただきました。事故を知らない世代も知ってもらいたいという声をいただき、特定の市内すべての小中学校・高校への配布にもつながりました。地域の学校に求められたことは大きな前進だと感じています。県外にも、数百部単位で購入していただいた学校もありました。
また、原発事故や地域の歴史について家族で話す際、冊子の存在によって自分の言葉で語ることができたという感想をいただけたことも嬉しかったです。事故によって起きてしまったことについて、話しにくいテーマであると感じているご家庭もあります。
子ども(事故以前を知らない世代)にも分かりやすく、かつ原発の存在が是非論の価値観以外を伝えられ本があまりなく悩んでいたという方にとって良き教材となれたのではと感じています。事実を知ってもらい、原発そのものや事故にあった地域を過度に否定されることがなく、未来を考えていく役割をこの1