唐津焼と国宝「鳥獣戯画」のコラボレーション

唐津焼と国宝「鳥獣戯画」のコラボレーション
唐津焼の魅力と平安時代の国宝「鳥獣戯画」兎や猿などの動物が躍動する姿を唐津焼に込めました。

ごあいさつ

はじめまして。

佐賀県唐津市出身 

唐津焼、唐玄窯を開業しております。

窯主、島谷啓介と申します。

唐津焼について

400年以上の歴史がある唐津焼は古くから茶道の道具として茶人に愛され「一井戸、ニ楽、三唐津」という言葉もあるほど。

陶磁器の事を通称、東日本では瀬戸物(せともの)西日本では唐津物と呼び、古くから茶人に愛されてきました。

        『絵唐津茶碗』

「用の美」を備え、使うことで完成するとも言われています。中でも唐津焼には種類がたくさんありますが、その中で代表と言われる絵付の多くは草木や花などです。
国宝「鳥獣戯画」

日本の国宝絵巻「鳥獣戯画」は、日本絵画史上もっとも有名な作品の一つです。兎や猿などの動物が躍動する姿を題材に描いています。

内容は当時の世相を反映して動物や人物を戯画的に描いたもので、嗚呼絵(おこえ)に始まる戯画の集大成といえます。特にウサギ・カエル・サルなどが擬人化されて描かれた甲巻が非常に有名です。

※(こちらは鳥獣戯画を描き、型抜きして陶器で箸置きを作成しております)
このプロジェクトで実現したいこと

伝統工芸の唐津焼に国宝「鳥獣戯画」を描く事で、新しい唐津焼の魅力を伝えて行きたいと思い企画致しました。

※(二つのお皿で鳥獣戯画の物語りを繋ぎ合わせています)

「鳥獣戯画」と唐津焼のお互いの良さの認知、発展に貢献していきたいです。

動物達が躍動する姿を、食卓を通して気持ちや心を少しでも明るく穏やかになるお手伝いが出来ればと思っております。
プロジェクトをやろうと思った理由

新型コロナウィルスの感染拡大により社会全体が低迷する中、佐賀県でも毎年開催されている有田陶器市や唐津焼展も中止となりました。

ウィルスとの闘いの長期化による心身の疲れを多くの人が感じています。

今回、伝統工芸的概念を残しつつ、新しい唐津焼の魅力を国宝「鳥獣戯画」の兎や猿などの動物が躍動する姿を唐津焼に込めて企画いたしました。

日刊工業新聞 平成29年12月15日(金)にも日本の伝統工芸品、新しい唐津焼の創造として掲載させて頂きました。

発想の原点は絵付けを担当している私の息子です。中学生の頃に友人関係に悩み、あまり学校に行かなくなり引きこもりになりました。私の仕事を手伝っていましたが、将来を思い描けず人とも付き合っていませんでした。そんな時、日本の国宝絵巻「鳥獣戯画」を見て感銘を受けました。今まで唐津焼には草木や花を描く事が多かったのですが、そこに躍動する動物の姿を表現したいと思ったのです。

元々、水墨画を描くことには慣れていましたが、陶器に描くことは勝手が違いました。鳥獣戯画は動物の形が草木に比べて複雑な為、器に描く事は新しい挑戦でした。水墨画とは異なる筆で細い線が描けるよう試行錯誤を繰り返し、新たな発想を描き続けて5年が経ちました。参考やヒントが無い状態から手探りでようやく技法を確立しました。

こちらに掲載してる作品は全て私と息子の作成した作品になります。
これまでの活動

1977年九州現代工芸展 初入選

1979年 九州現代工芸展 奨励賞受賞

1980年 古窯跡研究

1981年 第三文明展 入選(東京)

1982年 第三文明展 入選(東京)

      開窯 唐玄窯

1983年 各地で研鑽の成果の個展開催

      西部工芸展 入選

      東京東急本店個展

      神戸そごう個展

1984年 西部工芸展 入選

1985年 大阪松坂屋個展

19