初めまして。一般社団法人Foraの藤村琢己です。
わたしたちForaは、2016年4月に設立した新しい組織です。
「学校教育をより良くしたい」という思いのもと、約70校、30,000人の高校生を対象に、
学校教育の現場で正規の授業枠を頂きながら、進路を考える授業を重ねてきました。
今回は、クラウドファンディングを行うことになった経緯、
そして皆様にお力をお借りしたいと思っている教材開発、私たちの想いをお伝えします。
長くなりますが、ぜひ、ご一読いただけると嬉しいです。
「本当は、生徒は何を得たのか、
どうやったらもっと学びを深められるのかを議論したい。」
あるこの教員の発言には、学校教員の「多忙化」が叫ばれるなかで、
むしろ学校教員に求められる教育活動が「高度化」している背景があります。
まず多忙化です。
学校教員は日頃から、各教科の授業を実施し、事務書類の作成を行い、
学校の委員会、部活動を指導し、担任業務を行い、進路指導に向けた面談を実施するなど、
数多くの業務を行います。連合総研の調査報告書によれば、
教員の46.4%が月100時間以上の時間外勤務を行っていると言われています。
次に高度化です。
2020年は新型コロナへの対応、2021年1月には「センター試験」が廃止され、
新時代を見据えた「共通テスト」の導入、
2022年からは「総合的な学習の時間」が「総合的な探究の時間」に変わり、
社会の変化に合わせ、教育がまさに大きな変化を迎えようとしています。
これらの多忙化と高度化が同時進行した結果、
現場にどんな影響が引き起こされているのでしょうか。
そもそも教育活動は「授業を行うこと」だけではありません。
「教師が一方的」に話し「テストのため」に勉強し「偏差値主義」にならないように、
「どんな生徒にどうなってほしいのか」を考える教育目標の策定や、
「双方向的な学び」を実現するカリキュラム作りや授業づくり、
教育目標に合わせた「学校独自の教育評価」を行うことが本来の目指すべき姿です。
ですが、これらの取り組みは十分に行われていません。
さらに深刻なのは、「授業を準備する時間」でさえ足りていないことです。
HATOプロジェクト(2015)「教員の仕事と意識に関する調査」によると、
77.8%の教員が「授業準備の時間が足りない」と回答しています。
ここからもわかるように、通常の授業準備でも手一杯、むしろ足りないくらいで、
「新しい教育活動」には力を割き切れていない現状があります。
その結果、とりあえず「偏差値の高い大学に入れる」進路指導や、
生徒が将来のことを分からないまま卒業して
ミスマッチを引き起こすような進路指導が行われ、
生徒の目的意識や問題意識を育まずに、高校を卒業させているのです。
本来は学校の中でやりたくても、諦めざるを得ない教育活動は少なくありません。
学校内で”新しい教育活動”を行おうとしても、学校内に相談できる相手もいなければ、
むしろ浮いてしまったり、孤立してしまったりするような風潮もあり得ます。
「だからこそ、”新しい教育活動”を作成し、学校教育に提供することが、
学校教育をより良くすることに繋がるはず。」
そのような仮説を持ち、私たちは5年前に活動を開始しました。
そして、この5年間の活動を通して、
そのニーズがむしろ当初の想定以上なのだと気付きました。
最初は、大学生が想いを伝える授業を行う活動からスタートでしたが、
次第に広がり、関東圏と東海圏を中心に対面で高校生3万人に授