総領町の宝を守りたい!田総川「陸封アユ」循環プロジェクト

総領町の宝を守りたい!田総川「陸封アユ」循環プロジェクト
広島県庄原市総領町を流れる田総川(たぶさがわ)では、「陸封アユ」の循環を守るため、毎年稚アユの放流事業を行っています。放流用のアユ購入資金調達のため、遡上してきたアユを道の駅等で販売していましたが、「コロナ禍」で収入は大幅減少。次期の必要資金確保のため、本プロジェクトを立ち上げました。

はじめに・ご挨拶

初めまして、こんにちわ。田総川(たぶさがわ)漁業協同組合で組合長を務めます、山根京司と申します。当組合は広島県北東部、庄原市総領町を流れる田総川のアユやヤマメなどの水産資源と河川環境を保護する団体として、約70名の組合員とともに活動しています。
このプロジェクトで実現したいこと

本プロジェクトで実現したいことは、放流用の種苗アユの購入資金の調達です。私たちが管理する田総川の春の風物詩として、「陸封アユ」の遡上があります。下流の三次市にある「灰塚ダム」で成長したアユが生まれ故郷の川に戻って産卵し、その子どもたちがまた川を下り、次代へ命を繋げています。当組合では毎年稚アユの放流を行っており、 そうした命の循環を継続していくために日々活動しています。
「陸封アユ」とは?

普通アユは、秋に川で生まれ、冬を海で過ごして栄養を摂取し、春に生まれた川へ戻り、秋に産卵、その生涯を1年終えることから「年魚」とも呼ばれています。しかし、川から海までの道のりを途中にある「灰塚ダム」で堰き止められた田総川のアユは、ダム湖内で越冬し、春に川を遡上します。こうした「陸封アユ」の循環が見られるのは、国内でも大変稀有な事例であり、広島県や大学などの研究対象となっています。
プロジェクトを立ち上げた背景

アユはその個体数を維持するために毎年、他の河川から稚魚を放流する必要があります。広島県より河川の管理を委託された当組合には、毎年120kgの稚アユ放流が義務付けされていますが、地元・総領町の貴重な水産資源を守りたいという想いから例年、指示量を超える放流を行ってきました。「コロナ禍」で当組合の運営状況も悪化していますが、例年通りの放流ができるよう皆様のお力をお借しいただくべく、この度、本プロジェクト立ち上げに至りました。
これまでの活動

・稚アユの放流
毎年4〜5月に年1回、役員が中心となって、河川の各地点から稚アユを放流します。その他、ヤマメやウナギなどの放流も行い、河川の生態系を維持するために活動しています。

・鑑札の販売
田総川でのアユ釣りはその手法ごとに、毎年6月より順次解禁となります。釣り人はシーズン前に鑑札(釣り券)を購入していただく必要があり、その販売も当組合の貴重な収入源となっています。

・遡上アユの採捕
3月終わり頃から下流の「灰塚ダム」から遡上してきたアユを採捕し、近隣の西城川(さいじょうがわ)・江の川(ごうのかわ)・可愛川(えのかわ)漁協の放流用アユとして提供しています。
※放流用アユは、広島県より認可された「特別採捕許可」の指定期間で採捕しています。

・遡上アユの販売
広島県より認可された「特別採捕許可」以降の期間に採捕された他の河川への放流用以外のアユは、「道の駅たかの」など地域内の小売店や県内の飲食店へ販売し、総領町の特産品としてもPRしています。
※当組合は、「魚介類販売業2類」の許可を保有しています。

・マス釣り大会の開催
2年に1回のペースで川を堰き止め、マス釣り大会を開催しています。大会を通して、田総川やそこに住む生き物を身近に感じてもらうことを目的に実施しています。
※残念ながら「新型コロナウイルス感染症」の影響を鑑み、令和3年度は中止の予定です。

・イベントへの出店
地域内外で開催されるイベントに出店し、アユやヤマメの塩焼きなどを提供することで、田総川の地域資源をPRしています。
※写真は、尾道市内で出店した際のヤマメの塩焼きです。
資金の使い道・実施スケジュール

ご支援いただいた資金(目標金額30万