、そのほかのアートの可能性を考える機会があまり多くありませんでした。しかしコロナ禍で自分たちの表現の幅の狭さを改めて認識しました。そこから僕らのコンセプトであるアートの境界を越えた創作活動を目指すようになったのです。今回はそうしたDEVILOOFの取り組みの第一歩なのです。
もう一つの理由は「DEVILOOF」という音楽を”今現在の僕ら”が扱うときの向き合い方に、一番合っているのが映像なのではないか
「コロナ禍」という大きなテーマに立ち向かうとき、限られた人に届けるLIVEという手法よりも、より広い人達と共有ができる映像というツールのほうが良いのではないだろうか。
現地で見た空気感を超える表現
この先まで残す価値を生み出していく
「今」を記録しておくことで10年後、20年後に「あの時」として振り返ることが出来る「点」を生み出すことです。これから先も定期的に作品作りを行い、いつの日か後ろを振り返った時に「DEVILOOFの作り出したV系デスコア」という大きな時代の流れを、僕たちの作品から垣間見ることが出来るような作品を作りたいと思っています。そして我々含めこの時代を生きる人々の歩みの記録は、「未来」に生きる僕らより後の世代にとって意味のある価値になってゆくと思うのです。
アートはこれまでの歴史を見ても、その作品がつくられた当初は何の価値も評価もされていないような作品が、はるか後に評価され価値が新たに見い出されるということがあります。そうした作品を作ってゆきたい、作ろうとしてゆく必要があると思うのです。今を生きる人々と共有し共に考えてくことと同時に、大きな流れとして捉えるための「点」を生み出し続けていく必要があると思うのです。
だからこそ僕らは今回、「DEVILOOF」という音楽を映像作品としてつくりたいと思う所存です。
(太輝)
エンターテインメント業界というものはこの世の中で1番必要の無いジャンルの職業なのかもしれません。極端な話を言えば、衣食住等のライフラインに関わる職業は今無くなってしまえば人間は生きていけなくなりますが、この世から音楽が消えても生きていくことはできるでしょう。
2020年未曾有の事態に世界が覆われ、日常生活が根本から変わってしまいました。
しかし、こんな状況の中にも関わらず俺達に対して「新曲はまだか?」とか、「ツアーはいつするの?」という声を昨年1年間で沢山貰いました。こんなご時世に加えまともにライブもできず仕舞いだったにも関わらず、そういった声をまだDEVILOOFにかけてくれるのがとても嬉しいかったです。まず第一にその言葉に対してお礼を言いたいです。本当に本当にありがとう。貴方達のお陰でDEVILOOFは灯を絶やさず2020年を水面下の活動でありながらも乗り切ることができました。
そして、2021年。
今までのように音楽を楽しむことができなくなった世にも関わらずDEVILOOFの動向に目を向けてくれている皆さんと、こんな世の中でも音楽が大好きでバンド活動することにしがみついている俺達はもしかしたら変わり者なのかもしれません。しかし、皆さんの声のお陰で、上に書いたようにミュージシャンなんてものは世の緊急事態ともなれば単に必要の無い職業なのかなと思ってましたが、音楽を通しての表現は自分自身の生きる糧でもあり、DEVILOOFの「音」を待ってくれている人達にとっても生き甲斐とまで言えば大袈裟ですが、日常生活の楽しみの一つになれるのではと気付くことができました。
そして、今まで通りにライブができない時