「私はお菓子作りが本当に好きなんだな。私のお菓子を食べて笑ってくれる人のためなら、一生続けられるかもしれない」
そう思いました。
このことがきっかけとなり、私の将来の夢は明確に「パティシエ」になりました。
念願のパティシエを1年で辞める
夢が決まってから、不思議と病気も快方に向かい、中学校を卒業することもできました。
そして、高校生からお菓子の勉強や資格が取れる専門学校へと進み、お菓子作りの基本的な技術や知識を学び、「製菓衛生師」という国家資格も取得しました。
「パティシエになるなら語学を勉強しておいた方がいいかもしれない」と思い、専門学校を卒業後そのまま就職はせず、外国語が学べる短期大学へと進学し、英語やフランス語、中国語を勉強しました。
そして20歳のとき、ついにケーキ屋さんに就職し、パティシエとしての第一歩を踏み出しました。
しかし。
念願のケーキ屋さんに就職できたのに、私はわずか1年で退職してしまいました。
きっかけは、職場の人間関係でした。
お店にもよりますが、ケーキ屋さんは基本的に朝早く夜遅い仕事で、お給料も少ないです。
ただ菓子職人という修行の世界なので、これに関しては覚悟をしていました。
しかし、いざ働き始めると職場の人間関係で大きな問題があり、何度も改善しようと試みましたがどうしてもできませんでした。
人間関係が悪いことで、長時間労働・低賃金の環境にも徐々に耐えられなくなっていきました。このままだと悪循環から抜け出せないと思い、退職する決断をしました。
あんなに夢だったパティシエという仕事を、自分からやめる日が来るなんて。
当時は自分で決断したことにも関わらず、しばらく現実を受け止められませんでした。
パティシエからイタリアンシェフの道へ
パティシエを辞めた後、私が次に選んだ就職先は「イタリアンレストランのキッチン」でした。
パティスリーからイタリアンレストランへ
なんでイタリアンかというと・・・
実は最初、デザートだけを作るパティシエをこのお店が募集しているのを見つけて、応募したんです。
しかしいざ働いてみるとデザートだけではなくパスタやピザ、ステーキまで焼いたりと、普通に全ての料理を作るお仕事でした(笑)。
ピザを焼きながらデザートを仕上げることも・・・
内容は予想外でしたが仕事は予想以上に楽しく、前職で経験しなかった「決められた時間通りに料理を作り、目の前のお客様に提供する」という緊張感も刺激的でした。
そして何より大きかったのが、ただ料理を作るだけではなく食材管理(発注・仕込み品の期限管理・ロス管理・棚卸しなど)や数字関係の管理(損益計算書〈PL〉:主に食材原価・人件費・消耗品費など)、採用教育(アルバイト・社員の採用教育)を実務を通して学べたことでした。
仕事は前職のケーキ屋さんと同じくらい激務でしたが、上記のような飲食店経営の基本が最初から仕事としてできることと、年功序列がなく結果さえ出せばどんどん上にいける環境だったので、働いているうちに「ここで上を目指すことで得られるものは大きいかも」と思うようになりました。
そして入社して3ヶ月、「2年以内にキッチンの一番上の立場であるシェフになる」と決めました。
一番上の立場ということはつまり、責任者です。当然、キッチンに関わる全てを理解し、できるようにならなければいけません。
覚えることや考えることが多く、行動力も必要です。壁にぶつかり、悩んでも答えが出ないときもたくさんありましたが、少しずつ習得していき、一般社員か