3.11から10年。鎌倉で生まれた、もう一つの物語。映画『発酵する民』全国公開へ

゚ラダイスアレイ)  寺田優(寺田本家)
音楽 イマジン盆踊り部 pass into silence
版画 RYOCK
ポスターデザイン 平野絵理
協力 OurPlanetTV 平野由里子 土屋豊
配給 福々映像
監督 平野隆章
映画のコメントや批評文

以下の方々に映画を見ていただき、批評文や感想コメントをいただいています。

藤井光さん(アーティスト)、鶴田真由さん (女優)、栗原康さん (政治学者、アナキズム研究)、小熊英二さん(社会学者、慶應義塾大学教授、ギタリスト)、⻄邨マユミさん(マクロビオティック・ヘルス・コーチ/パーソナル・シェフ)。詳細はホームページをご覧ください。

映画『発酵する⺠』公式ホームページ
https://fermentfilm.com/
最後に

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。⻑年かけて制作してきた初監督のドキュメンタリー映画が、”コロナ禍”での上映をむかえました。この中で、映画館で上映するという意味について、考え続けています。

”コロナ禍”により、ZOOMなど新たなアプリを使用したコミュニケーションや、リモートワークが普及してきました。映画の視聴体験も選択肢が広がり、私自身、NETFLIXなどで新たな映画体験を楽しんでいます。『ベター・コール・ソウル』や『消えた16mmフィルム』は、出会えて本当に良かったと思う大好きな作品です。

新しいコミュニケーションや、映画体験を楽しむ一方で、自分の中では、映画館の存在も大きくなってきました。映画館の暗闇でしか届かないものを、体が覚えています。あなたが、映画館で見た忘れられない映画は何ですか?

映画館の暗闇は、とても繊細なものを映し出します。ある時は、日常を忘れたワクワクとした冒険の旅に連れていき、ある時は、私たち自身の暗闇に語りかけます。優しい風に吹かれた時のような気持ちになったり、とても危険で嫌悪する人が描かれていて驚いたり、自分には共感できない、理解不能な愛や、受け止めきれない人生の形を見せてくれます。中学生の時に、渋谷でハーモニーコリンの『ガンモ』や、レオスカラックスの映画を見た時の衝撃は、言葉では言い表せられません。

鎌倉の川喜多映画記念館で映画を上映していただいた時に、感じたことがあります。それは、映画館には、上映作品を選定する方々がおり、宣伝をする方、映写技師さん、受付や清掃業務をする方、警備員さんがいるということです。

鎌倉では、受付で体温測定や様々な対応が必要なため、警備員さんがいらっしゃったのですが、とても良くしてくれました。

先日、上映のお礼と、福島上映決定の報告に行ったのですが、映画館の方から「この劇場で映画をかけてくれてありがとう。映画館を踊りの輪に加えてくれてありがとう」と言われました。 そして、警備員さんもとても喜んでくれました。映画を上映するということは、この人たちと、ともに働くということです。

昨年11月に、鎌倉の川喜多映画記念館で行われた先行上映会

今、”コロナ禍”により、定員人数を50%減にせざる得ない映画館があり、営業時間の短縮をしているところもあります。しかし、これについて、国の補償がありません。

様々な制限が発生する中でも、細心の注意を払って「映画を上映すること」を守る人たち、これまで、映画の文化を担ってきた人たちに敬意を示すとともに、そこで上映