はじめまして。I.TOONはクレイを中心に様々な技法を駆使し、映像表現の可能性に挑戦するアニメーションスタジオです。
今までにCM(ミスタードーナツ『ポン・デ・ライオン』)、TV、ミュージックビデオ (宇多田ヒカル『traveling』アニメーションパート)、映画など様々な作品に携わってきました。
代表作のNHKプチプチ・アニメ「ニャッキ!」は25年を越えて放送されています。
「ハーバーテイル」は、2011年に制作したI.TOONのオリジナルアニメーション短編です。
横浜をモデルにした港町を舞台に、主人公のレンガがさまざまな出会いを通し、街の魅力を発見していく物語です。
コマ撮りとCGを組み合わせた「ネオクラフトアニメーション」技法を駆使し、5年余りの歳月をかけて完成しました。(2011年制作 ハイビジョン ステレオ 18’04”)
チェコのZLIN国際映画祭で最優秀アニメーション賞・観客賞を受賞、国内外の映画祭で各賞を受賞し世界24カ国で上映されました。
スロバキアの映画祭にて。上映後、小さな観客たちに人気のレンガくん。
「コマ撮りをあまりよく知らない…」という方のために、コマ撮りアニメーションについて簡単にご説明します。
「コマ撮り(ストップモーション)アニメーション 」はその名のとおり、1コマ1コマ人形などを動かしながら撮影し、それを繋げて映像にする技法です。
ここで、「ハーバーテイル」で実際に使用しているコマ撮りの素材を少しだけご紹介します!
下の動画は横浜の根岸森林公園にある「根岸競馬場跡」をモデルにした粘土造形です。
普通の建物からニョキっと耳や鼻や口が出てきて、表情豊かな3頭の馬の顔に変身します。
とても滑らかに動いているように見えますが、この約4秒の映像を作るために、実はこれだけの写真を撮影しているのです!
「競馬場」の撮影素材
人の手でほんの少し動かしては撮影し、また少し動かしては撮影し…を繰り返すこと93回!
これ以上の枚数になることもたくさんあります。
この途方もない作業をプロのアニメーターさんたちが繰り返し、一つの作品になっていきます。
今の技術があれば比較的簡単に映像を作ることができますが、デジタル技術だけでは生まれない、人の手を感じることのできる魅力がコマ撮りアニメーションにはあると思います!
I.TOON渾身の作品「ハーバーテイル」は今秋、完成から10年を迎えます。
そこで10周年記念と作品の集大成として書籍の出版を企画しました。
構想から完成までの5年余りの制作データや想いを凝縮した、特別な一冊にしたいと考えています。
また、DVDを書籍と併せてご鑑賞いただくことで、作品の魅力やこだわりをより深くイキイキとお伝えできるものとなり、これからストップモーションアニメーションを作りたい、という方への参考にもなります。
近年を中心としたI.TOONの主な活動をご紹介します。
●JARO CM「ダメダメ三匹のトーク 大げさ話篇」/アニメーションディレクション (2021)
・うそピョン篇
・コダイ篇
・まぎらワシ篇
●ガーデンネックレス横浜2021春 ポスターメイングラフィック/アートディレクション (2021)
●1→10 羽田出島|DEJIMA、縁日 ENNICHI/コンセプトアート (2020)
●わかさ生活「ブルーベリーアイ」CMシリーズ/ディレクション(2005~)
●ダスキン ミスタードーナツ事業本部「ポン・デ・ライオン」CMシリーズ (2004)
●花王 ビオレu