ご挨拶
はじめに
映画「ひとくず」は、発達障害をテーマにした「ヌーのコインロッカーは使用禁止」という作品をつくるにあたり、本作の監督・脚本・主演をつとめた上西雄大が、精神科医であり児童相談所の嘱託医をされている楠部知子先生に、取材をしたことがきっかけで生まれました。
楠部先生から「虐待について知っていますか?」「アイロンのやけどの跡をつけられた子どもが、たくさんいるんですよ。」と虐待の現実について話しを聞いた上西は、大きな衝撃をうけ、心のおきどころを失い、救いをもとめるかのごとく、一晩で脚本を書きあげました。
そして、虐待は、虐待を受ける子どもが苦しんでいるだけでなく、虐待をしている親も苦しんでいること、そして、社会が関心をもつことが虐待の最大の抑止になるとの思いにたち、映画「ひとくず」を完成させました。
「虐待」を入口においた映画ですが、描いているのは、人の心のあたたかさ、家族のあたたかさであり、また人間の心の中にある良心です。「劇場をでるときには、あたたかな気持ちになってほしい」そして、「一人でも多くの人に虐待について関心をもってもらいたい」そんな思いが詰まった作品です。
本作は、国内外の映画祭において数々の賞を受賞し、高い評価を得ました。しかし、日本においては、コロナの感染拡大による劇場の休館、それに伴う上映中止という逆風の中で劇場公開を迎え、一時は、上映を断念せざるを得ない状況にありました。そのような中、「コロナがあけて、一人でも多くの人が劇場に来られるその日まで、映画「ひとくず」とともに走り続ける」との上西はじめキャストの強い思いで上映を続け、大阪・シアターセブンでは、連日舞台挨拶を開催。1年を超えてなおロングラン上映を果たし、全国で25000人の動員数を達成しています。
登壇できない日は、リモートで舞台挨拶
【ひとくず公式ホームページ】
プロジェクトをやろうと思った理由
映画「ひとくず」は、上西雄大にとってはじめての劇場公開作品です。撮影当初、2時間40分を超える作品でしたが、「初監督作品で、2時間を超える作品の劇場公開は難しい」との判断から、カットせざるを得なかったシーンがありました。しかし、上映を続ける中で、何度も劇場に足を運び「ひとくず」を観る、”おいくず”と呼ばれるリピーターも誕生し、本作を観た多くの方から、ぜひカットされたシーンも観たいとの声が寄せられました。
そこで、「作品に込めた思いをより伝えられる形で上映したい」との思いから、カットしたシーンも含めて再編集し、ディレクターズカット版として、再上映を目指すことを決めました。
再上映にあたり、これまで観てくださった方はもとより、日本各地で、より多くの方に届けるためには、宣伝広告費が必要となります。そこで、ぜひ、ご支援を賜りたいと今回のチャレンジにいたりました。
コロナ禍の逆風の中においても、決して勢いをとめることなく、映画「ひとくず」とともに走り続ける映像劇団テンアンツ・上西組に、ぜひとも、みなさまのお力をお貸しください。
「生涯、ひとくずとともに走り続ける」と決めた上西雄大が監督・脚本・主演をつとめる「ひとくず」ディレクターズカット版への心からの応援、何卒よろしくお願いいたします。
プロジェクトで実現したいこと
「虐待の最大の抑止は社会が関心をもつこと」との言葉を心において、一人でも多くの方に、「ひとくず」に込めた思いを届けたい。そのために、宣伝広告に十分な費用をかけ