こんにちは、鞄人の坂井です。
突然ですが
「74%」
これはなにを表していると思いますか?
1993年には鞄を製造する事業所は1,760件ありました。それが20年後の2013年には419件、74%も減っています。それからさらに8年が経つ今、さらに減少しているでしょう。
私は鞄メーカーの家系に生まれ、毎日職人さんたちに接してもらいながら育ちました。そんな私はこの鞄業界が大好きで、工場は私にとって公園みたいな思い入れのある場所でもあります。
だからこそ、この急激な減少傾向にあるかばん製造業の継続および発展を考え、日本のものづくりの技術継承サイクルを絶やさないための仕組みづくり、業界の参入障壁を下げかばん業界を活性化するとともに業界にイノベーションを起こす仕組みづくりを実現したいと日々考えています。
プロジェクトで実現したいこと
フリーランスで鞄づくりを学ぶ「未来の鞄人」の受け皿に
環境問題や廃棄ロスなど地球に優しい思考を学んだ若い世代のアイディアとデザイン力を活かし「廃棄されるはずだった革」にスポットライトを当てたい。
そのために全国からインターンを募り「廃棄する革」を使った商品化を目指します。
集まった資金の使い道
1.インターン生の滞在先の確保
2.マーケティング調査および商品開発費
3.販売するための広告費用
皮革はもともと、私たち人間と同じように生きてきた牛などの生き物の皮です。
生きていれば、ケガもし、虫にも刺され傷もできます。
これこそが生きてきた証であり、本革である証明とともに、革本来の特徴です。
しかし、街で販売されている革製品の多くは、買う人の目利きによって製品のそういった証が「キズ物」としてみなされ不良品となって製造メーカー(皮革製造業者や商品の製造元)に返却されされることも。
そのため、既製品の生産現場ではあらかじめ、傷が多い皮革や製造会社での基準に満たないものは、製品になることなく処分されてしまいます。
また、通常かばんや小物の製作に使われる牛革は、背や胴体の大きい部分のみです。下の図は、牛半頭分の皮革を表しています。
もし製品として使われる部分にそのような傷があれば、その箇所は避けて使われ廃棄がさらに増えます。
皮革の仕入れ
↓
製品のパーツを取る
↓
余った部分は廃棄
そうして余った革や撥ねられた革も、それらの傷も受け入れ一製品として愛用してほしい。一つ一つは小さな端っこでも、それを継いだり、組み合わせることによって、一つの製品を作ることもできます。
さらに傷のある箇所を使ったり、繋げて製作されたものには、それにしかない個性的な表情を見せるのです。
※下記の画像はショルダーベルトを製作するため革を繋いだものです。
ただ、アップサイクルするためには、手間も費用もかかります。
当然価格も高くなり、大量生産の安くて品質のいい商品が溢れる市場では、
“ただ高いだけ”の商品にしかならず、廃棄する方が“経済的”で“楽”であるのが現状です。
私たちは「このひと手間・ふた手間をかけてでも、できる限りキズとして認識された革や余った部分の廃棄物を減らしたい、そのキズさえも愛おしいと感じてもらえるように意識改革の一助となれたら」その思いから、今回廃材を使った製品作りに着手しました。
このひと手間こそが作り手の腕の見せ所でもあり、デザイン力でもあるとも考えます。
また、さまざまな組み合わせや傷を活かした革から出来上がる一品は、誰とも被ることがないあなたのオンリーワンになります。
※下記は