▼はじめに
はじめまして。一般社団法人障害者就労支援ネットワークP&Pの奥岳洋子です。ここまで「誰かがやってみなければ分からないじゃないか!」と、無謀な挑戦を続けてきました。
このプロジェクトは、私が事業所を立ち上げて「おりづるガチャ」で成功を目指すものではありません。今まさに苦しんでいる多くの事業所が、力を合わせて課題を解決していくプロジェクトです。
今回は、クラウドファンディングを通して、現在の障害福祉の状況、皆様にお力をお借りしたいと思っていること、そして私の想いをお伝えします。
長くなりますが、ご一読いただけると嬉しいです。
▼発起人紹介
私は数年前まで大手民間企業で働き、家庭も仕事も充実していました。
そろそろ子供が欲しいと思い退職した矢先、ある日突然夫が10万人に1人(当時)の希少難病を発症。
あまりに珍しい病気すぎて、国の難病支援がすべて対象外という「制度のはざま」に立たされましたが、家族看病でどうにか乗り切りました。現在、夫はもとの職場に復職できるまで回復しました。
この経験から「難病や障がいについてもっと知りたい!」と思い、障害福祉の世界に飛び込みました。支援現場で5年間職員として働き、サービス管理責任者の資格も取得しました。
飛び込んだ世界での5年間はあまりにも一般社会からかけ離れていて、毎日変化する過酷な現場状況は、衝撃と疑問の連続でした。行政からも職場からも、たくさんの改善案は出ては消える毎日を過ごし「私に何ができるのか?」と自問自答を繰り返す日々でした。
そして、ある時、学んだのです。
障害福祉には障害福祉の法律があります。その決められた法律の範囲内で、一福祉事業所の職員では出来ることが限られてしまうことをー。
障害福祉に対しても民間企業に対しても「公平で公正で何からも干渉されない中立な組織」の必要性を感じ、2020年4月にほとんどの助成金も補助金も対象外の一般社団法人を設立しました。
「何か」を変えるために「誰か」が声を上げる必要があるなら、それは貴重な経験を乗り越えてきた「私の役割」だ!
そう自分に言い聞かせて、信頼できる仲間たち(5年間お世話になった事業所の職員・利用者)と新しい障害福祉の第一歩を踏み出す準備をしてきました。みんなの存在が私の原動力になっています。
1-1 障がい者の収入
障がい者の働く福祉サービスには大きく分けて3パターンあります。
その中で1番利用者数が多いB型事業所で働く障がい者は全国に約20万人います。
この約20万の人が平均月収約16,000円で働いています。
出典元リンク:厚生労働省平成30年度工賃(賃金)の実績について
ここで重要なのは、この数字が「平均」だということです。私の住む千葉県の全事業所を調べてみましたが、時給18円や月収2,857円の事業所も存在するのです。
時給18円ではチロルチョコが1個も買えません。
時給100円に満たない事業所もかなり多いことが分かりました。
ある日突然、自分が、大切な家族が、大きな病気やケガで障がいを抱えることもあるのに、障がいを抱えた瞬間にまるで日本とは思えない労働条件になってしまうことに衝撃を受けました。
テレビなどでは魅力な商品を開発して成功している事業所を見かけますが、それはごく一部の事業所で、大半の事業所か厳しい状況に立たされています。現在は新型コロナウイルスの影響でさらに厳しい状況に追い込まれています。
全てを調べきれているわけではありませんが、障害福祉の分野には「障害年金」というもの