camp-fire.jp
原発事故から10年。今も外遊びが不安な福島の親子に自然体験の機会を届けたい!
8 ~ 10 分
◆福島は今も
あなたは花や葉っぱ、土に触れて遊ぶ我が子を、不安な気持ちで見つめたことがありますか?
震災・原発事故から10年が経とうとしている今もなお、子どもが花を摘んだりどんぐりを拾ったり…そんな微笑ましいはずの光景にも放射能の不安が影を落としています。
子どもの成長の糧でもある自然の中での遊びを思う存分させてあげたい一方、被曝を心配するあまり「あれもダメ、これもダメ」と子どもから経験を奪ってしまっている…その矛盾に苦悩している何人もの福島の母たちに出会ってきました。
そして、この問題は価値観の違いや立場によって捉え方が様々で、周囲にこの苦悩を打ち明けたり声を上げることも難しい…それがさらに彼女たちの心を追い込んでいるようでした。
◆ミンナソラノシタ
はじめまして、こんにちは。京都から福島の母と子どもを応援する母たちのボランティア「ミンナソラノシタ」代表・林リエです。
ただでさえ大変な子育てに加えて、見ることも感じることもできない放射能から子どもを守ろうと頑張る母たちがいるという事実を知り、同じ時代に生きる母として何かできることがあるはず…と、2013年、ミンナソラノシタは誕生しました。
私が初めて福島の問題に触れた時、何も知らなかった自分を恥じると共に、あまりの理不尽さに怒りがこみ上げ、このまま知らない顔はできないと強く思いました。
子どもたちが大きくなった時に、あんな大変なことが起きたのになぜ大人は行動してくれなかったの?と失望させたくないというのも、この活動を始めた大きな理由のひとつです。
でも知れば知るほど何だかややこしくて、様々な事情が絡み合う複雑な問題だと気付きます。
どの立場で福島を見つめるかで見え方が大きく変わるのです。
そこで3児の母である私は、母の目線で福島を見つめることに決めました。
我が子の健康や幸せを願う母それぞれの「安全基準値」を、神経質だ、考えすぎだ、と揶揄せず尊重できる社会であってほしい。心からそう願っています。
そして50基を超える原子力発電所があるこの国に住んでいる以上、目の前で涙する福島の母は明日の私かもしれない…と思うのです。
この問題も、環境問題も、私たちが生きている間には解決できません。
子どもたちやその先の世代にできるだけ宿題を残さないために、少しでもきれいな地球を子どもたちに手渡すために、みなさんと一緒に考えていけることを願っています!
◆「幼稚園留学」
私たちは2017年から毎年4組の福島の母子を京都に招待し「幼稚園留学」を開催しています。
「幼稚園留学」にやって来た福島の子どもたちは、京都の文化に触れながら、京都の幼稚園に通い新しい友達と青空の下で笑顔はじける3週間を過ごします。
母たちも、日々向き合う不安から離れてただただ穏やかな気持ちで、自然に触れ合いながら遊ぶ子どもを見守ることができます。
◆「こどもの家」構想
しかし、「幼稚園留学」に参加するためには3週間家を空ける必要があるため、小学生以上の兄姉がいたり、共働き家庭の方などは参加することが難しく、また福島から京都への交通費や宿泊費が1家族あたり約30万円かかるために希望者すべてをお招きするのが難しい状況です。
そこで、福島近郊の放射線量の低い場所に宿泊・自然体験施設「ミンナソラノシタこどもの家」を設立し、運営することを目指しています。
こどもの家の候補地は周辺の放射線量を計測し、子