茨城県龍ケ崎市で大正3年から続く老舗の煎餅屋「鍵林」の味を守りたい

茨城県龍ケ崎市で大正3年から続く老舗の煎餅屋「鍵林」の味を守りたい
茨城県龍ケ崎市で107年の歴史をもつ老舗煎餅屋「鍵林」が、新型コロナウイルスの影響で存続の危機に見舞われています。伝統の味はなんとしてでも守るという思いからクラウドファンディングに初挑戦します。コロナ禍で誰もが大変な状況ですが、地元の方々に愛されて続けてきた鍵林伝統の味を一緒に守って頂けませんか?

茨城県の南部に位置し、北西部にはかっぱで有名な牛久沼のある龍ケ崎市。そのほぼ中央に、大正3年創業の煎餅処「鍵林(かぎりん)」があります。この独特な店名は屋号「鍵屋林兵衛」からきています。

「どうもこの辺一帯は江戸時代に鍵を作っていたらしい。他にも鍵屋文兵衛もいる」と伝えられています。しかし、なぜかうちは煎餅屋。活き活きした心で作るお煎餅・おかきは活き活きした味になる。をモットーに現在まで商いを続けております。

鍵林製菓は大正3年の創業以来「新鮮で活き活きした美味しい味」を追求してきました。

手作りの味はお母さんの味。我が子に食べさせるつもりで添加物を極力控えたら、素材の味が生きるお煎餅になりました。安心安全を考える心はお母さんの心と同じ。そんな思いで煎餅を作り続け107年の時が経ちました。

3代目を務めた主人が亡くなってからは妻である私が後を継ぎ、現在鍵林は4代目になります。歴史が長く、龍ケ崎市の歴史の本にも紹介されて、由緒ある煎餅屋として認められております。

しかし、老舗ならではの苦労も多く、スナック菓子の普及やお米の不作など、困難な局面にもたびたび直面してきました。その度に知恵を絞って、切り餅や揚げ餅などの新商品を発売し続けて、なんとかここまで乗り越えてきたのです。私はこの店を守るために、まさに「命がけ」で働いてきました。しかし新型コロナウイルスの影響は鍵林にも及び、経営状況は非常に苦しくなって来ています。

長らくご愛好していただいているお客様からは「鍵林伝統の味は無くなって欲しくない」「鍵林はやめないでね」というお声をいただいています。また、今年で私は77歳になりますが、「鍵林を継ぎたい」と言う後継もいます。鍵林を愛して応援してくださる人がいる限り、鍵林は美味しいお煎餅を作り続けたいと願っています。

■ 私財を投げ打ってでも守り続けた伝統の味

実は、三代目を務めた主人には多額の借金がありました。そんな主人が他界して、教員の家庭で育てられてきた私がいきなり会社を任せられる事になったのです。経営のイロハも分からず無我夢中で「この味を守る」という思いで続けてまいりました。経営に不慣れなことから、従業員にお給料を支払う際やお客さんにお煎餅を売る際にも、「悪いんじゃないか」という意識があり、儲けがないままお煎餅を売っていたこともあります。しかしそれでもここまで続けてこられたのは、私財を投げ打ってでもこの店の味を守らなければならないという強い使命感があってのことだと感じています。

■地元の名店が時代と共になくなっていく寂しさ

100年以上この地で商売をやっておりますと、多くの閉店の現実を目の当たりにします。同じ商品でもその地域ごとに様々な文化や歴史があり、その土地ならではの商品がある一方で、時代とともに老舗の名店がなくなり、資金力のある大手の店舗が残るという現実もあります。

龍ケ崎でも「あそこの店は美味しかったね」という声を聞きます。多くの歴史ある老舗店がなくなっていくのはとても寂しいものです。伝統の味は一度なくなると二度と同じものは作れません。煎餅の醤油も、継ぎ足し継ぎ足しで作っているので、その釜を止めたり、醤油を捨ててしまっては、おしまいです。ここでお店をやめたら、世の中に一人でも「鍵林の煎餅が食べたい」という人がいても、その人は鍵林のお煎餅が食べられなくなる。そう思うと、主人が亡くなった時も店を閉めようと考えていましたが、美味しいと言って食べてくれる人がいる限り、自分の都合でこのお店をやめてはいけないと決意しました。