コロナ禍で置き去りにされがちな子どもの気持ちを聴く絵本を、より多くの人に届けたい

コロナ禍で置き去りにされがちな子どもの気持ちを聴く絵本を、より多くの人に届けたい
後回しにされがちな「子どもの権利」。2020年国連子どもの権利委員会が出した声明を元に、自主制作で作られた子どもたちの声を聞くための絵本を、より多くの人に届けるために、内容を再構成、ワークブックをそえたハードカバー絵本として刊行し、「子どもの権利」を社会全体で考えたいと思っています。

とになったのでした。

▼新版の絵本の特徴

製作中の新版絵本『きかせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる?』(B5横判 予価 税込1980円)は、旧版の国連声明を丁寧に伝えるというワークブック型絵本から、内容を大幅に改変した、新しい絵本になります。

① コロナ禍に「国連子どもの権利委員会」が出した声明をもとに、コロナのような非常事態下で権利が制限されるときに奪われやすい「子どもの権利」に着目

旧版は現在進行形でコロナ禍に直面している子どもと大人に向けて、指針となる国連声明をわかりやすく伝えるという目的で作りました。

新版の絵本は、権利が制限されたときに出された国連声明という特徴を踏まえ、コロナが収束した後でも参照できるよう、非常事態時において大切にされるべき「子どもの権利とは何か」という点に着目しています。

② 子どもの権利が日々の暮らしにどう当てはまるのか、気もちを手がかりに「子どもの権利」を知ることができます

子どもが権利について学ぶ時には、単に知識や情報を得るだけでなく、自分たちの権利が日々の暮らしにどう当てはまるのかを学び、活かしていくことが重要です[1]。

子どもにとって身近な「コロナ禍」だからこそ、日々感じている気もちと「子どもの権利」がつながっているのを学ぶ機会になります。

[1] 小・中学生が「子どもの権利」を知り、支援につながるには?英国教育現場の取り組み https://bigissue-online.jp/archives/1078808560.html

③「子どもの権利」とは何か? 問いかけに答えていくなかで自然に学べる構成

旧版では、「権利という言葉を、小さい子にどう説明すればいいのか」「子どもが一人で気軽に読むにはハードルが高い」など、「権利は難しい」といった声が複数寄せられました。

新版では、10歳前後の子どもがひとりでも読むことができるよう、特に大切なことに内容を絞りこんでいます。一人で、親子で、友達やクラスの同級生と、さまざまなかたちで絵本を読み、問いかけに答えながら読んでいくうちに、自然と「子どもの権利」を学ぶことができる構成です。

④ 全編、色鉛筆による優しい手描きイラスト

旧版でも多くの方から「ずっと眺めていられる」「かわいくて、夢のあるイラスト」「絵が子どもの権利の理解を深めてくれた」等のご感想をいただいてきたmomoさんのイラスト。眺めるだけで心が和むような、優しいイラストに導かれて、「権利」の世界にはいっていくことができます。新版のために描きおろされたイラストもありますので、お楽しみに。

⑤ 自分の気もちを書き込めるワークブック付録付き

旧版で読者の方から好評だった子どもが気もちを書きこむスペース。
コロナ禍では、子どもが気もちを我慢する場面が多かったからこそ、そのスペースに気もちを書きこみ、外に出して心を軽くしてほしいと考えていました。

新版絵本では、「自分の気もち」を書き込めるワークブックが1冊付録で付いています。
読者の子どもさんから要望のあったmomoさんの描き下ろしぬり絵もお楽しみいただけます。

ワークブックは追加でご購入いただけますので、子どもたちとのワークショップなどの際にご活用ください。

私は、これまで社会的養護で育った当事者の方たちの「声」を聴いてきました。
社会の不十分さが、いかに子どもの人生を直撃しているか、子どもがひとり、人生のなかで困難を引き受けさせられているか、ということを実感してきました。

「よりつらい状況になっている子ども」が