コロナ禍で置き去りにされがちな子どもの気持ちを聴く絵本を、より多くの人に届けたい

コロナ禍で置き去りにされがちな子どもの気持ちを聴く絵本を、より多くの人に届けたい
後回しにされがちな「子どもの権利」。2020年国連子どもの権利委員会が出した声明を元に、自主制作で作られた子どもたちの声を聞くための絵本を、より多くの人に届けるために、内容を再構成、ワークブックをそえたハードカバー絵本として刊行し、「子どもの権利」を社会全体で考えたいと思っています。

た。
このコースは、支援いただいた方へのお礼に加え、子どもたちを支援する団体など、
信頼のおける団体を通して、この本をより必要としている子どもたちに届けられるようにいたします。

どうか、みなさまのお力をお貸しください。
よろしくお願いいたします。

ひだまり舎は、2018年8月6日、平和を祈念する日に、始まった小さな出版社です。
伝えたいことは、いのち、平和、幸せ。
本をひらくことで、ひだまりの中にいるような、
あたたかい気持ちになっていただけたら。
あたたかな時間が、1人でも多くの人に届くことを願って、本を作っています。

ひだまり舎の既刊絵本

ひだまり舎代表の中村は、子どもたちに本を届ける活動として、ひだまり文庫という家庭文庫をひらいています。
本との出会いを提供する場であることはもちろんですが、地域の子どもたちやその親たちとの交流の中で、孤立する親子が、気軽に立ち寄って思いを話せる場、学校でストレスを抱える子どもたちの心が解放される場としての役割も感じています。親でもない、先生でもない、地域のおとなの知り合いがいることは、成長過程の子どもにとって、安心材料のひとつになるはずです。そうありたいと、願っています。
「子どもの育ちを社会全体が大きな目で見守る」ということが、いま、必要だと思うのです。

 作者の長瀬正子です。「社会的養護」という、保護者といっしょに生活できない子どもの権利について研究をしています。この20年ほど子どもに権利を伝えるとはどのようなことか、考えてきました。カナダ・トロント州の子育てに特化した書店Parent Booksにならい、2017年から、子どもと大人の対話を助けてくれる多様な絵本を紹介したWebサイト「ちいさなとびら」を運営しています。

 

WHOが新型コロナウイルスを確認したのが、2020年1月14日。遠い国の出来事だと思っていたら、2月末に始まった学校の一斉休校をはじめ、あっという間にコロナとともにある日々に突入していた…これは私の実感ですが、多くの人と重なるものではないでしょうか。

4月に入り、社会的養護で育った友人が、職場から自宅待機を言い渡され、その先行きの見えなさに対する不安を話してくれました。私自身は、小学生の子どもとの日々をなんとかやりくりしていました。デンマークやノルウェー、カナダの首相たちが子どもたちに会見をひらくニュースを耳にし、なぜ日本では、これほど子どもたちの日常が変わったにもかかわらず、誰も子どもたちに対して説明をしないんだろう、と怒りを抱えていました。説明をするのも、子どもの日常をまわすのも、そして学習までもが保護者の責任になっている状況にも…。

家族を頼れない状況にある若い人たちの不安と、子育てを家族でのみ引き受けなければいけない苦しさには、何か共通したものを感じます。子どもの育ちに社会の応援が足りていないのではないか、だからこんなに苦しいのではないだろうか。コロナによる影響は、もともとあった問題をより色濃くうつしだします。家族というものに強く期待される何かと、そこに依存した形でつくられている今の社会のありようを考えさせられます。当時は、このような思いが今のような言葉になっておらず、私自身もなんとか毎日を過ごしていましたし、そのような混乱のなかにいた人たちが多くいたことと思います。

そのような中で、2020年4月8日、国連子どもの権利委員会が新型コロナウィルス感染症の世界的流行にかかわる声明を出しました。2日後の4月10日、子どもの権利にかかわる国際文書の翻訳家であ