た。
そしていつしか「自分たちで日本酒を作りたい」と情熱を持つようになっていました。
そして2014年に来日。
酒蔵巡りをきっかけに日本酒の味と奥深さに魅了され、
イギリスで暮らしている人たちにも、日本酒の魅力を知ってもらいたい一心で
夫妻の日本酒造りのチャレンジ挑戦が始まります。
当時のイギリスには日本酒造りの道具はおろか、日本酒に関する資料もほとんどありません。
夫婦は僅かばかりの日本酒造りの英語テキストや、YouTube動画から独学で日本酒造りを研究。
2014年に京都に訪れ、現地の酒蔵「月桂冠」で酒造りを直に学ぶ機会を得ました。
帰国後、すぐにクラウドファンディングで資金を募り、
ロンドンの下町の自転車店を改装して小さな醸造所を作りました。
そしてワイン用の醸造設備を日本酒用に改良。
様々な工夫を凝らし独自の酒蔵を築き上げ、
やっとの思いで、自分たちが納得できるイギリス初のSAKEが完成します!
~酒米へのこだわり~
日本酒の味の決め手はお米と水、麴、そして杜氏の技術がカギとなります。
ところが原料となるお米は、イギリスをはじめ、ヨーロッパではほとんど栽培されていません。
一般的に日本酒造りに用いる米は、
「酒米」と言われる酒造りに適したお米を使用します。
そのため、
ウィルソン夫妻は日本から酒米を輸入し、酒造りを行っています。
ウィルソン夫妻は本格的な日本酒へのこだわりから、
日本で最も多く生産されている酒米「山田錦」と「五百万石」を日本から取り寄せています。
~味を決める「水」への創意工夫~
日本酒造りには水質も重要で、Kanpai社では現地のロンドンで汲み上げた「硬水」を使用しています。
ところがイギリスの硬水は、日本よりミネラル分が多い為に、
醸造で麹が活発化し、発酵の調整が非常難しいです。
特にロンドン近郊の地下水はミネラル分が多く、日本酒造りに向いていませんでした。
そこで夫妻は日本の「吟醸造り」を参考にしました。
研究の結果、長期低温発酵で発酵を遅らせ、見事この問題を解決。
ついにイギリス初のSAKEが完成しました!
~『Kanpai』 という名に秘めた思い~
ウィルソン夫妻がイギリス初の酒蔵に『Kanpai』と名付けたのは、
京都のバーのマスターからお酒の飲み始めの挨拶が「乾杯」と教えてもらったことが由来。
文字通り「杯を空にするまで飲む」という意味は、
美味しい日本酒を最後まで美味しく楽しんでもらうに相応しいとの思いが込められています。
~イギリスでSAKEを広めるために~
お酒の楽しみの一つとして日本に居酒屋文化があるように、イギリスにはパブやバーの文化があります。しかし、食生活において、日本とイギリスでは大きく異なります。
ウィルソン夫妻は、日本酒に馴染みが無いロンドン市民にもSAKEを楽しんでもらうため、
様々な工夫を凝らしています。
まず自分たちのSAKEを手軽に試してもらうため、
通常ワインに使われる750mlボトルではなく、
イギリス人が好きなビールで使うハーフボトルの375mlを採用しました。
また味においても工夫を凝らしています。
イギリス人が日頃からお酒と共にパブで愛食する
ハムやチーズ、BBQ、カレー、フライドチキン、アイスクリーム等と一緒に楽しめるように、
食中酒として造り上げました。
その結果、現地のイギリス料理のレストランだけでなく、
高級フレンチやアジア系の料理を提供している飲食店など幅広いジャ