足利市民会館の思い出を、未来につなげたい! 『未来へつづく本』プロジェクト

足利市民会館の思い出を、未来につなげたい! 『未来へつづく本』プロジェクト
足利市民会館は、昭和41年に開館し、これまで足利の芸術発信源として「文化のまち足利」を支えてきましたが、この6月末で閉館となり、取り壊されることになりました。これまでのたくさんの思い出をメモリアルブックに綴る、そして未来につなげていきたい!との思いから、有志で立ち上げたプロジェクト

はじめに・ご挨拶

こんにちは。

この度、菊地健雄(足利出身、映画監督 )、中村実穂(市内在住、mothertool店主)、木村沙和(市内在住)で、ロイアルナイト実行委員会を立ち上げました。

私たちは、栃木県の南西、渡良瀬川が東西に流れる緑豊かな街・足利市で暮らしています。 心安らぐ山や川のあるロケーションの良い豊かな自然環境と、都心にもアクセスがよく便利な街として、とても暮らしやすい穏やかな故郷であると思っています。でもやっぱり日本各地の地方都市の例にもれず、足利でも若者の都市部への流出は止まらず人口減少の一途をたどっている最近。そんな中でも、変わらないもの、変わりゆくもの、そして新たなもの、そのひとつひとつが足利の今を形作り私たちの心を癒してくれているのです。

今年100周年を迎えた「文化のまち足利」の芸術発信源として、みんなに愛されてきた「足利市民会館」が55年の歴史に幕を閉じることになりましたが、現段階において次の市民会館の建設の目途は立っていません。

今、「変わらないもの」に大きな喪失をむかえようとしています。

小学校の頃から芸術鑑賞や合唱コンクールなどの発表会として市民に親しまれ、多くの有名人などのコンサートやオペラ、オーケストラ、ミュージカルなどを鑑賞したり、そして多くの市民が結婚式という人生の大事な節目を祝ってきた思い出の場所。汗や涙、笑い声に誰かの情熱。某有名指揮者がこよなく愛したカツカレーを提供するレストラン「ロイアル」、周辺には軽トラで売りに来る焼きそば屋や、来年50周年を迎える屋台コーヒーの芳しい香りまで、この場所に漂う形なきものが、建物の解体と共に失われようとしています。
プロジェクトを立ち上げた背景

足利市民会館の解体の話は少し前から話題に上がっていました。そこで、私たちは3年前、レストラン「ロイアル」での交流イベント「ロイアルナイト」を開催しました。

【ロイアルナイトメンバー/映画監督:菊地健雄(足利出身)、グラフィックデザイナー・イラストレーター:惣田紗希(足利出身)、mothertool店主:中村実穂(市内在住)】

こちらは2017年4月に開催したロイアルナイトの様子です。私たちの呼びかけに100人を超える足利市民会館、そしてロイアルのファンが集まってくれました。2017年4月に発売された、主婦の友社ムック本『Skipー心はずむものごとは、日々の中にー』で、足利市民会館を始めとした足利の魅力を特集いただいたことから、編集者の方もゲストで参加していただき、熱気にあふれた初回となりました。

その後、夏にはエマーソン北村さんをお呼びして、夏祭りイベントを開催しました。

この2回とも居住地も、世代も、職業も様々な方々にご参加いただきました。私たちはロイアルナイトを通して、改めて市民会館が私たちにとって特別な場所であることを感じました。

この春、新型コロナウイルス感染症拡大により、世界中でこれまでのあたりまえの日常が変わろうとしています。大きなダメージを受けた企業や商店など経済救済の動きはあるものの、音楽や映画、芸術など様々な文化活動の再開にはまだまだ時間がかかります。

そのような中、私たちは「今できることは何か」について議論を重ねてきました。

日本全国で、人口減少・高齢化が進む中、自治体の税収・予算も削減され、公共施設の老朽化による建て替えが問題となっています。当たり前のものとして目の前にあった風景がある日を境に姿を消してしまう。私たちの市民会館の建て替えの問題は日本中の地方都市のどこにでもあ