犬の皮膚に関する基礎研究を通して、犬のスキンケア文化を浸透させたい!

犬の皮膚に関する基礎研究を通して、犬のスキンケア文化を浸透させたい!
犬の病気の約25%が皮膚トラブル。しかし、人のような十分な皮膚に関する基礎研究やスキンケア手法なども確立されていないのが現状です。そのため、様々な犬種や年齢の皮膚バリア機能を測定・データ取得をする研究を行い、正しいスキンケア文化を作りたいと考えています。そのための機材購入・研究費を募らせてください。

日本獣医皮膚科学会認定医:江角 真梨子

日本大学獣医学科卒業後、神奈川県の動物病院で勤務。
勤務医の傍、東京農工大学動物医療センター皮膚科研修医として、皮膚科を学ぶ。
その後、日本獣医皮膚科学会認定医を取得し、各地の動物病院の皮膚科診療に従事。現在、年間約1000頭以上の皮膚病の動物を診察。また、人の美容、スキンケアにも精通しており、日本コスメティック協会の認定指導員も務める。
獣医師、動物看護師、グルーマー向けに学術講演やセミナーは年間60件ほど実施している。

現在、犬においては皮膚トラブルの緩和を目的に、シャンプーや保湿剤などのスキンケアの有用性が示されておりますが、犬のスキンケアに関する情報や基礎研究はまだまだ乏しく、圧倒的に研究数が少ないです。

犬をどのようにシャンプーしたら良いのか、どのような製品を使用したら良いのか、評価の基準などが明らかになってません。

人は、毎日、顔や体を洗ったり、保湿をしたりというスキンケアの文化が日常的にあり、皮膚を清潔に保つことで感染症の予防につながることや皮膚病の緩和につながることが分かっています。一方で、犬においてはスキンケアをするという文化はまだまだ一般化されていない上に、スキンケアの手法や皮膚に関する基礎研究が解明されていないのが現状です。

犬のスキンケア製品は近年、多くの種類が販売されておりますが、研究やエビデンス(科学的根拠)をもとに開発された製品は限られています。さらに犬のスキンケア製品というのは雑貨扱いのため、全成分の表記の義務がないことも問題の一端となっています。それゆえに、製品をめぐるトラブルや明らかになってない情報をめぐる論争を経験することもあります。

人の事例から、犬においても皮膚の基礎研究を進めることで、スキンケアの手法が確立され、皮膚トラブルを少なくする一助になることやより良い製品の開発というエコシステムが構築されるのではないかと考えます

【犬の皮膚病の現状】

犬の病気の保険請求割合では約25%が皮膚病(アニコム家庭どうぶつ白書調べ)と言われています。
犬の皮膚病は人でも見られるようなアトピー性皮膚炎、脂漏症というような病気が多く、痒い、赤いといった皮膚症状に加え、長きにわたり治療が必要になるケースが多いです。わんちゃんの日常生活が辛いものになるばかりではなく、飼い主さんの精神的な負担も大きいといった問題があります。

【犬の代表的な皮膚病】

犬アトピー性皮膚炎

犬アトピー性皮膚炎は、環境アレルゲン(ハウスダストマイト、花粉など)に対して過剰な免疫反応を起こす皮膚病です。その要因には、遺伝、皮膚バリア機能の低下、住環境など、さまざまな要因が複雑に絡み合って引き起こされると言われています。主な症状は痒みで、皮膚が赤い、毛が抜けるなどの症状が認められています。

脂漏症

脂漏症とは皮脂の分泌量が増加することにより、皮膚トラブルが起こります。さらに増加する皮脂の影響で、マラセチアと呼ばれるカビの菌が増え、皮膚のベタつきや臭い、痒み、脱毛を起こすことが知られています。

これらの皮膚病は、皮膚の潤いを維持する皮膚バリア機能に関与することが明らかになっておりますが、その詳細なメカニズムはまだ一部しか解明されておりません。

特に犬の場合は、様々な犬種があり、個体間のバリエーションに応じたデータが必要と言われており大規模な研究(様々な犬種/年齢/性別/住環境別の皮膚の状態の情報取集・解析)が待たれております。 

1.大学・研究機関の絶対数が少ない

一般的に、