や板材に加工することを指します。
仕入れる丸太の目利きや丸太を活かす最適な挽き方の判断は大変難しい作業ですが、栗田製材所の積み重ねた経験が可能にしています。
また、木材を扱うためには乾燥の工程が欠かせません。丸太から製材したばかりの材は非常に水分量が多い状態にあります。木材は乾燥していくのに伴い、曲がりや反り、割れなどが生じます。こういったくるいが後で生じないよう、あらかじめしっかりと乾燥させておくことが必要なのです。家具用の材となれば、それはより重要となります。
栗田製材所では、天日干しと機械乾燥を組み合わせた乾燥方法により、素材本来の質を保ちながら最適な乾燥具合を実現しています。
このように、ヒノキ専門の製材所によるこだわりの素材を用いていることは、Trolley Deskの大きな特徴です。
ポイント⑤ ウォールナットをアクセントにしたかわいいデザイン
そんなヒノキですが、実は家具にはあまり使われていません。ヒノキは広葉樹と比較し、軟らかく加工が難しいためです。
Trolley Deskは、大川家具として全国でも有名な大川市の”株式会社井上企画”が素材加工、製品化を行っています。
職人の工夫により、強度が必要な車輪部などに丈夫な木材であるウォールナットを起用することで弱点を克服、耐久性を確保しました。これは、外材広葉樹の加工を得意としており、ヒノキとの組み合わせのノウハウを持つ、井上企画ならではの発想です。
デザインとしても、地域材のヒノキにウォールナットがアクセントとなった、可愛らしいものとなりました。
制作ストーリー
うきは市のヒノキを活用したいという思いからこの取組は始まりました。
近年、全国的に戦後植林されたスギ・ヒノキが伐期を迎えています。これらの木々は先人が、わたしたち子孫が豊かになるよう願い植えてきたものです。うきは市にも、そうしたスギ・ヒノキ山が豊富に存在します。傾斜が急で、きっと作業が大変だっただろうと想像されるような山林にも、たくさんの木々が育っています。
昨今では、建築様式の移り変わりや代替素材の出現により、木材の需要は減少、価格も以前に比べ大きく落ちています。しかし、先人の思いを一身に受け、堂々と並ぶ木々を見ると、それらを何としてでも活かしたい、そういった気持ちが湧いてきます。
木のあたたかさや、豊かな香り、素敵な木目、自然が育んだ節の表情など、スギ・ヒノキの持つ価値はたくさんあります。
そういった木の価値を可能な限り活かしたい。
そのような考えのもと、「UKIHAインテリアデザインコンテスト」を開催しました。
これは、スギ・ヒノキを活かした家具のデザインコンテストで、福岡県の“林業のまち”うきは市の地域おこし協力隊と“家具のまち”大川市の株式会社井上企画での協同開催により実現しました。
“テレワーク”というテーマで募ったデザインは、学生や主婦、プロのデザイナーの方々から30を超えるご提案をいただきました。(2020/4/29~5/31実施)。
応募いただいた作品について、厳正な審査を重ね、Trolley table&stoolを特賞に決定しました。
その後、株式会社井上企画にご協力いただきながら、さまざまな意見交換のもと、試作を重ね、Trolley Deskが出来上がったのです。
仕様
●材質:天板・脚部 ヒノキ無垢材(うきは市産 )
車輪 ウォールナット
●寸法:天板 380mm×600mm
高さ 600mm