はじめに・ご挨拶
北極冒険家、荻田泰永(おぎたやすなが)です。
私はこれまで、20年にわたって北極や南極という「極地」ばかりを、主に単独徒歩による冒険を続けて来ました。
TBS「クレイジージャーニー」などで、私のことを見ていただいた方もいらっしゃるかと思います。シロクマを「コラー!」と叫びながら追いかけてた、アイツです。
2019年10月より、神奈川県大和市に、私の事務所である「冒険研究所」を構えています。20年で膨大に増えた私の極地冒険装備などを保管する場所として、旅人や冒険者たちがフラッと訪れる交差点のような場所として、またトークイベントなどを行う場所として活用して来ましたが、その「冒険研究所」の一部を「書店」にしたいと計画しています。
名付けて「冒険研究所書店」です。
本と冒険、旅、それらが一直線につながるような場所として、世界に扉が開かれるような心躍る場所を作ろうと考えています。
そのための資金の一部を、ご支援いただけたら幸いです。
このプロジェクトで実現したいこと
旅と本、これはとても親和性の高いものだと思います。
本と旅をする、本に旅をする、本が旅をする、「冒険研究所書店」において、それがキーワードです。
「本と旅をする」これは、まさに新しい旅のお供に、一冊相棒となるような本を持って行きませんか?そんな提案です。
「本に旅をする」コロナウイルスの影響が収まらず、以前のような自由な移動に制限のあるこの時代、本の中にはたくさんの旅があります。冒険譚や旅行記など。せめて、イマジネーションの世界で、本に旅をしましょう、というのが第2のキーワード。
「本が旅をする」これは、冒険研究所書店に一つの書棚を用意し、その棚に訪れた人が旅立たせたい本、見知らぬ誰かに読んでもらいたい本を置き、別の誰かがその本を旅先で誰かに手渡す。そんなことを繰り返していって、この場所から「本が旅をする」ようなことができたら面白いな、そんなことも考えています。裏表紙にでも、誰の手を渡ってどの土地を巡ったか、その時々の所有者が履歴を書き記していって、いつの日かまた最初の人の手元に戻ってきた時には、その本はただの古ぼけた本以上の存在となるでしょう。電子書籍ではできないことが、そこにはあります。
書店には、ギャラリースペースも併設し、冒険や旅に限らず、様々な世界に触れられるような展示も定期的に開催します。
また、家と学校以外に行き場のない子たちが、ただ本を読みに、ちょっと雑談をしに、そんな感じで立ち寄っていくような場として使ってもらえたらという思いもあります。
そして、まだ具体性を帯びていませんが、若い冒険者たちを応援できるような仕組みを作ることができたらと考えています。
詳しくは、私(荻田)のnoteに書いています。
遠方で、大和市まで来ることが難しい方のためには、オンラインでの書籍販売、さらには書棚にいまどんな本が並んでいるのかオンラインでチェックできるような仕組み(書棚ライブカメラ的な!?)も考えたいと思っています。
プロジェクトをやろうと思った理由
大和市の小田急江ノ島線、桜ヶ丘駅目の前に「冒険研究所」を構えて1年半ほどたちました。
元々、縁のなかったこの土地に事務所を構えて活動して思ったことは、書店が少ないな、ということでした。
私自身、本が好きで、書店も好きです。子供の頃には、書店に行くのが楽しかった思い出があり、自分の知らない世界の入り口がそこにあるような気がして、ワクワクしたものでした。おそらく、いまこうして「冒険家」を名乗って活動できているその背景として、私自身を形作った一つの要素として、影響を受けた本、本から得た知識、読書体験があるはずです。
しかし、ネット通販が隆盛となったこの時代、街場の書店は次々と閉店し、桜ヶ丘駅前にも数年前までは書店があったそうですが、今では全く書店のない駅前となってしまいました。
ネット通販の書籍購入は確かに便利で機能的です。私自身も、利用することがよくあります。ただ、それでも私は書店に行くのが好きです。
都心から電車で1時間ほどの、郊外の住宅地であり、近くには小学校や中学校がたくさんあります。駅前には学習塾もあり、子供たちや学生の姿もあります。しかし、書店がない。文化的な施設が少ないな、というのが、私の1年半での印象でした。
勉強するのは子供の専売特許ではありません。大人が率先して好奇心を持ち、広い世界に目を向ける習慣があればこそ、子供たちも背中を見て真似をします。
勉強する、恋をする、理不尽に苛まれる、そんなことと同じくらいに、本を読む、というのは人間形成に大切な