離農による被害拡大イメージ図
加害獣の捕獲は年間を通じて行われていますが、捕獲された個体のほとんど(約90%)が廃棄処分されており食肉としての利用は依然としてわずかな現状となっています。主な原因として、ジビエの流通に必要な獣肉処理施設の不足が挙げられます。日田にも獣肉処理施設が1軒あるのですが、日田市の猟師が一軒の処理施設に集中するのでたくさんの獲物がとれても受け入れ頭数が限られているため(1日3頭)受け入れを依頼してもほとんど受け入れてもらえず、廃棄処分せざるを得ない状況が続いています。埋設処分される鹿
栄養価の高い猪・鹿肉は低脂肪高蛋白で鉄分も豊富なうえ、味も良く様々な料理に使えます。自分たちの家で消費し切れない分は友人に配ることもありますが、想像していたよりも全然臭みがなくとても美味しいと喜ばれます。そのため私たちはなるべく廃棄せず可能な限り食肉として活用していますが、一般家庭では容量が限られているため友人に配ってもすべての肉を使い切ることが難しく仕方なく廃棄処分してしまう現状です。
実際にジビエを食べた友人の声
◉私たちがこだわるジビエ
手つかずの自然が多く残る奥日田エリアで育った猪や鹿は、起伏の激しい山を駆け巡り、綺麗な水に恵まれ、おいしい山の幸をたくさん食べているため余分な脂肪が少なくミネラルやビタミンが豊富です。
狩猟には、銃猟、罠猟と大きく分けて2種類の方法があり、その中で私たちは猟銃を使用せず罠猟による生け捕りにこだわっております。
その理由として
①止め刺しをした後すぐに冷却をしなければ肉焼けという体温上昇によるダメージが起きてしまう
②止め刺し後内臓から腐敗が進むことで肉に臭みが移ってしまうため1分でも早く処理する必要がある
③複数頭捕れた場合、その場で止め刺しをしてしまうと処理までに時間がかかるため肉質の低下が起きてしまう
④その場で止め刺しをしてしまうと山から引き出す際に傷口から雑菌が入ってしまうため衛生面に問題がある
以上の理由からおいしく食べるには処理までのスピードが重要になります。山で止め刺しをしてしまうと、どんなにいい状態の獲物でも処理場まで運び込む時間がかかってしまいます。生きたまま捕獲することに危険は伴いますが可能な限り安全に配慮し生け捕りにこだわっています。
◉実はとても栄養豊富なジビエ達!
猪肉は鉄分が豚肉の4倍で、ビタミンB12が3倍です。鹿肉もカロリーが牛肉の半分で、脂質が5分の1、しかも鉄分は1.7倍です。
日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年よりまた、鹿肉は魚に含有量が多い不飽和脂肪酸系DHA、EPAが多く含まれていて、アミノ酸やミネラルバランスにも優れています。そのため成長期の子供から貧血気味の妊婦さん、生活習慣病の予防、ダイエットやアスリートの身体づくりなど、たくさんに方々の食事におすすめしたいジビエです。栄養豊富で美味しいジビエはギフトにも喜んでいただけます。
猪肉は鹿肉に比べれば高カロリーですが、それでも牛や豚に比べれば低く、鹿同様にビタミンや鉄分