石巻のシンボルとして、市民に愛された鳥居を再建したい
プロジェクトをご覧いただきまして誠にありがとうございます。鹿島御児神社 権禰宜の窪木浩枝です。
鹿島御児神社の大鳥居は度重なる地震や経年劣化により倒壊のおそれがあるということで解体せざるを得ない状況になり、2021年5月22日に地元の企業様ご協力のもと、解体いたしました。
鳥居について
当社の大鳥居は高さ約6.2Mの高さで、昭和10年(今から86年前)に神社の社格が県社に昇格したのを記念して建立されたものです。鉄筋コンクリート製で自然の風景ともなじむ造りでございました。昔は鳥居をめざして船が入港したとも伝えられております。
※解体前の鳥居
石巻の様々な変化をみつめてきた鳥居
※東日本大震災の被災後、復興を祈念して執り行われた神輿渡御
昭和10年に建立された鳥居は戦前の街並み、戦後の復興など石巻の様々な変化を見てまいりました。さらには私の記憶がある中では昭和53年宮城県沖地震、平成15年宮城県北部連続地震、そして平成23年3月11日東日本大震災の際はたくさんの人が日和山に避難してきました。津波にのまれて変わりゆく街並みを人々と共に見ていました。
石巻に復興支援に訪れた多くに人が鳥居越しに見える海の見える素晴らしい景色を撮影しています。
※夕焼けに染まる大鳥居
また多くの著名人が日和山を訪れました。志穂美悦子さんが神社再建ひまわりプロジェクトでひまわりを植えるイベントを行ったり、震災10年の今年3月放送の歌番組では大鳥居の前でを歌ってくださいました。
諸外国ではアラブの王室関係者やアメリカの元陸上選手平成27年にはイギリスのウィリアム王子が来石した際は鳥居の正面より犠牲者に手を合わせました。
鹿島御児神社について
鹿島御児神社は約1100年前より石巻日和山に鎮座し、氏子崇敬者を見守ってまいりました。ご祭神は武甕槌命 鹿島天足別命の親子二柱で武神を祀っております。
交通安全祈願、安産祈願、初宮詣など様々な人生の節目もお参りされる方も多く思い出の場所となっており、市民には「ひよりやまさん」や「日和山神社」の愛称でも親しまれています。
鳥居の思い出
日和山の鳥居は映画やテレビに登場しています。映画やテレビドラマの重要なシーンに鳥居が登場し、陰ながら演出を支えてまいりました。
また石巻の自然災害時の中継や東日本大震災慰霊の日も鳥居の前で皆様が手を合わせる姿が毎年放送されています。
普段の日和山公園は桜の名所として石巻市内外から人が訪れ景色を楽しんでいかれます。
昼間は近所の人が散歩をし、観光客が鳥居背景に写真撮影を行い、夕方は近くの高校生が鳥居下の階段をトレーニングしています。
鳥居の現状について
地元の企業様に診断いただいたところ劣化が酷くすぐにでも解体したほうが良いという診断でした。企業様の協力により皆様の安全を最優先に考え、再建のめどが立たぬまま解体という事になりました。
1)解体前の鳥居
2)解体式の様子
【これまでの経緯と市民の声に押されて再建へ】
当社は東日本大震災の影響で本殿ならびに社務所が被害を受け、本殿並びに社務所の再建をようやく終えたばかりでした。鳥居のあちこちが痛んでいる事は承知しておりましたが正直私どもの力だけではどうにもできない状況でした。今年に入り宮城県沖を震源とした震度5強の大きな地震が何度もありました。そのたびに鳥居を心配して飛びだしていくことが度々ありました。
当社は津波注意報が出た場合は沢山の人が避難してまいります。安全を求めて