はじめまして!
湖南市長壽寺の住職、藤支良道と申します。
今回初めて公開したこの地蔵曼荼羅は寺宝として古くから受け継がれてきたものの、剥落が激しく歴代住職も開くことを憚ってきたものです。破損を拡大しないために蔵に安置されてきた曼荼羅ですので、当山で生まれ育った私も曼荼羅の全体像を見たことがありませんでした。
ところが一昨年、この曼荼羅に詳しい学芸員さんとお話する機会があり、この地蔵曼荼羅が大変稀有なもので、日本に一枚しか現存しないであろう図であることがわかりました。
そこでこの貴重な曼荼羅を皆様に知っていただき後世に残してゆくために、クラウドファンディングという形で修復に取り組むことにいたしました。
長寿寺は奈良時代、良弁僧正によって建立された勅願寺で、現在国宝に指定されています。その昔、聖武天皇には世継ぎがなかったので、良弁僧正が阿星山中の瀑布に籠って子宝の祈願を行ったところ、間もなく皇女の降誕を得ました。天皇は、我が子の長寿を願い七堂伽藍廿四坊の寺を建立し長寿寺という寺号をおくり、さらに行基菩薩に子安地蔵を刻ませ本尊としました。これが長寿寺の始まりと伝えられています。中世には源頼朝、足利尊氏の祈願所となり発展しました。
▲国宝の本堂
▲本堂のお堂
▲参道の紅葉
【国 宝】
【重要文化財】
曼荼羅とは古来インドが起源とされ、「マンダラ」はサンスクリット語で“まるいもの”、“本質を備えた”という意味です。曼荼羅は密教で悟りを開く(修行)ために生まれたと言われています。日本には平安時代に空海が持ち込んだとされ、真ん中に大きく仏様や神様が位置し周辺を体系的な配置をシンメトリーな形にしたものが多く見受けられます。
当山で所有している地蔵曼荼羅については先代住職から、寺宝として蔵に保管してあることそして取り扱いに注意することを伝えられました。住職に就いて三年目の2019年、滋賀県立安土城考古博物館の学芸員 山下立さんが別件でお越しになられたと
き、たまたま地蔵曼荼羅の話になり山下さん立会いのもと数十年ぶりに地蔵曼荼羅を開いてみることとなりました。
▲(所蔵庫から出し確認)
▲縦134cm 横84cm ▲中心部の図柄です。小さなお地蔵様が整然と描かれています。
室町時代の作で、6本の手を持ったお地蔵様の周辺を約12000体の小さなお地蔵様が描かれた、今までに見たことのない曼荼羅です。日本で、世界で1枚しかない曼荼羅かも知れません!
仏教の教え「六道」を意味する。「六道」とは輪廻(生まれ変わり)を繰り返す6つの世界で地獄もその一つ。地蔵は六道に迷う人々の苦しみを絶つとされ、六道信仰がある。
「地蔵本願経」に地蔵菩薩はガンジス川の砂ほどに身を分かち、あらゆる人々を教えに導くとあり、「地蔵の無限の願いと無数の分身」を表現した。
室町時代から500年以上の時を経た地蔵曼荼羅。破損が激しく修復に約100万円かかります。絹布に描かれているため剥落も進みすぐにでも修復に取りかからないと図の大部分を失ってしまうおそれもあります。
現在は、お参りいただいた方に修復のご寄付をお願いしています。
▲本堂に提示している”地蔵曼荼羅”のレプリカです。
〇 地蔵曼荼羅のポストカード
〇 東寺献上ごぼう茶、ごぼうクッキー
〇 地蔵曼荼羅の御朱印帳
〇 本堂内陣の住職案内
〇 地蔵曼荼羅修復の法要特別参加券
〇 非公開の宝物虫干しの特別公開限定ご招待
最後に
クラウドファンディングという形で全国の皆様に現状を知っていただき修復のご協力を呼び掛けました。
地蔵曼荼羅が修復が出来れば・・・
後世に伝えるために・・・
文化財指定の申請をしたいと考えます!
ご支援頂いた支援金は地蔵曼荼羅の修復費の一部として使用されていただきます。
よろしくお願いいたします。