camp-fire.jp
フィギュアスケート・河辺愛菜/究極のスケート靴で世界に挑みたい!
3 分
はじめまして。フィギュアスケーター、16歳の河辺愛菜です。
同じ名古屋出身の浅田真央さんに憧れて、6歳から本格的にスケートを始め、両親の支えもあって、競技を続けてきました。
中学1年生の終わりには、宮原知子さんや紀平梨花さんといった日本を代表するトップ選手を数多く育ててきた濱田美栄コーチに競技を教わるため、地元名古屋を母と弟とともに離れ、京都を拠点に日々練習に励んでいます。
2019年の全日本ジュニア選手権では、練習してきたトリプルアクセルを試合で初めて決めることができ、優勝することができました。
そしてユース五輪では日本代表として戦うことの喜びを感じ、世界で戦いたいという想いがより強くなりました。今は浅田真央さんや紀平梨花さんの代名詞でもあるトリプルアクセルを安定して跳べること、4回転ジャンプ、表現力を磨くことを目標に、練習に取り組んでいます。
今シーズンからは、シニアの舞台での戦いが始まりました。まだまだ課題がたくさんありますが、これから世界で戦えるスケーターになれるよう、さらにスケートを頑張っていきたいです。
世界のトップで戦うためには、道具も大きな要素の一つです。特に、スケート靴は選手にとって「命」と言っていいほど大事なものです。靴の形や革の硬さ、エッジの位置などのわずかな違いがジャンプに大きな影響を与えます。
このスケート靴が私にとっては大きなハードルなんです。皆さんにもイメージがあるかもしれませんが、フィギュアスケートという競技は、ものすごく費用がかかるスポーツです。
今私は、アカデミーの練習生として木下グループさんにレッスン料などの費用をサポートいただいているおかげでスケートに打ち込むことができていますが、一般的には、世界のトップを目指すスケーターは、レッスン料や遠征費、衣装、振付、道具など、年間およそ1000万円かかると言われています。
特にスケート靴は、こだわればこだわるほど費用がかかります。そして、私にとっては、そのスケート靴こそが、ここ一番での大技・トリプルアクセル成功の重要なカギを握っているんです。
実は今、私は左右違うモデルのスケート靴を履いています。
見た目は変わってしまいますが、いろいろな靴を試し、トリプルアクセルが最も跳びやすいものを選んだ結果、違うモデルの靴を履くことに落ち着きました。1つは8万円、もう片方は10万円。これに加えてブレードを付けるためプラス各9万円が追加でかかっています。
この2つの靴はオーダーメイドではありません。どちらも既製品です。海外のメーカーでオーダーメイドとなれば、採寸のためだけにヨーロッパへ行くなど、とんでもなく大きい資金が必要になってきます。「最大限のパフォーマンスができるものを!」と精一杯追求した結果、辿り着いたのが、左右バラバラの靴になりました。
そんな風に試行錯誤で今使っている私のスケート靴には、不安な部分も少なくありません。今の私にとっては全力のパフォーマンスが出せる一番良い靴になっていますが、当たり前ですが、スケート靴には寿命があり、いつ壊れるかもわかりません。
このまま左右違うモデルを履いていると他の選手と比べて2倍の靴代がかかってしまうだけでなく、次にそれぞれの靴を買い替えた時に、同じ感覚で滑れるものに出会えるとは限りません。
スケート靴は既製品でも基本的に手作りのため、商品によってそれぞれ形や硬さなどのわずかな違いが出るので、同じサイズでも実際