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【あしなが学生募金】学びたいをかなえる 進学をあたりまえに
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はじめまして。あしなが学生募金事務局で滋賀県を拠点に活動している渡辺愛理(わたなべえり)と申します。
あしなが学生募金は毎年、春と秋に全国約200ヶ所で街頭募金活動を行っています。いただいたご寄付は全額を「あしなが育英会」に寄付し、病気・自死・災害によって親を亡くした子どもたちや、親に障がいがある子どもたちの奨学金、また、サブサハラ・アフリカの遺児たちが高等教育をうけるための奨学金として使わせていただきます。
今年の街頭募金は第100回を迎える予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により中止となってしまいました。しかしながら支援を必要としている学生は多くいる現状に変わりはありません。
支援金を集める機会を失ったほか、遺児たちの現状や思いを届ける機会を失った今、このページが少しでもあしながのこと、遺児のことについて知っていただき、寄り添ってくださるきっかけになれば幸いです。
2019年 街頭募金の様子
あしなが育英会が支援する遺児家庭の平均手取り月収は14万6380円(*1)で、全国平均手取り月収の36万7500円を大きく下回っています。また、生活保護受給率は12.8%(*2)に及びます。
(*1)出典:2018年奨学生家庭の生活と教育にかんする実態調査(主査・副田 義也=筑波大学名誉教授・社会学)
(*2)生活保護の被保護者調査(平成30年7月分概数厚生労働省)
遺児家庭にとって大きな負担となるもののひとつが教育費です。学びたいと思っていても経済的理由で進学を断念せざるを得ない、または、進学したものの学費や生活費を賄うためのアルバイトにより学業に専念できない、といった遺児学生が数多くいるのが現状です。
今年は新型コロナウイルスの影響により就職が困難になるなか、その負担はさらに大きなものとなっています。
進学することで得られる学びは机に向かって行う勉強だけではありません。たくさんの仲間と出会い、切磋琢磨し、自分の力を大きく伸ばすことのできる、何にも代えられない貴重な学びがそこにはあります。私は家庭環境により学びたいという思いがあるにもかかわらずその機会をあきらめてしまうことはあまりにもったいないと思うし、学びの機会は家庭環境に関係なく平等に与えられるべきと考えます。また、あしながの奨学金はそのような学生の思いをかなえることができます。
親を亡くしたり親に障がいがあることで進学をあきらめる理由にすることなく、誰もがあたりまえに進学できる社会を目指して、私たちは活動を続けてまいります。皆さまのご支援、ご協力をよろしくお願いします。
私も遺児学生のひとりです。私は中学2年生の時、父親をがんで亡くしました。父は病気が見つかって以来長い入院生活を送っていましたが、当時私は父と離れて暮らしており、病状の深刻さを理解できていなかった私にとって父の死は突然でした。父が退院したら久しぶりに一緒に出掛けようとか、これからは体調を気遣ってあげようとか、父との未来をたくさん考えていましたが、その思いは突然断たれ、何もしてあげられなかった無力感とやりきれない思いでいっぱいでした。時を経て、いまこうして少しでも遺児の支援に関わることができていることを誇りに思います。
また、私は現在あしながの奨学金の支援で大学に進学することができています。大学では主にプログラミングを学んでおり、将来はそこで学んだ知識を活かしてエンジニアになりたいと考えています。私