【バイオトイレ×生活改善】次世代の農業を提案しパラグアイの農家のモデルを作りたい

【バイオトイレ×生活改善】次世代の農業を提案しパラグアイの農家のモデルを作りたい
南米のパラグアイにバイオトイレを建設して、衛生環境と農業を改善するプロジェクトを実施します!パラグアイ農村部では、多くの家庭が野ざらしで囲いも手作りのいわゆる”ぼっとん便所”を使っています。清潔で安心して使えるトイレを使ってほしい。パラグアイの農業に、環境に、水不足の解消に貢献したいです。

足の問題を解決するために、村人と話し合い、バイオトイレのプロジェクトを立ち上げることを決めました。私たちは、水を使わず排泄物を処理することができるバイオトイレを用いて今ある水資源を守りながら、さらに彼らの生計向上を目指します。

​ミタイ基金​(提供:ミタイ基金)

 ミタイ基金が活動するパラグアイの農村地域では水不足が深刻な問題となっています。農村部おいて十分な水の利用を妨げる3つの課題があります。

 1点目は、環境負荷の問題です。パラグアイの農村で使われているトイレは、素掘りトイレという地面に掘った穴の上に穴の開いた板を乗せたものです。周囲はあり合わせの木の板などの資材で囲んだものを使用している家庭が多いのが現状です。

 素掘りトイレは、糞尿が穴の中に溜まります。私たち人間の糞尿に含まれる物質が、その穴から周囲の土壌へ浸透し、土壌汚染を発生させます。便の細菌の死骸などの物質の他に、無機質が含まれています。適度な量の無機質なら土壌内の微生物が分解してくれますが、糞尿が集中する素堀りトイレの穴の中では分解が追いつかず、その周りの土壌や地下水・小川が無機質によって汚染されてしまいます。その結果、住民が利用する水が飲めなくなる恐れがあります。また、経済的に余裕のある少数の家庭で使用している水洗トイレに関しても、下水処理のシステムが十分ではなく、下水が庭に垂れ流されているので汚染が発生しています。排泄物が村の環境を汚染しないような工夫が必要です。素掘りトイレでも水洗トイレでも、このように農村には水の問題があります。
村に設置してあるトイレ
(提供:カアグアス国立大学)

 2点目は、衛生に関する問題です。素掘りトイレでは下痢症等の感染症の病原菌が土や水に浸透して広がることで感染が広がる可能性があります。住民は前述のように地下水や小川の水を飲料水やその他の生活用水に利用しています。それらを媒介し、住民への寄生虫の感染も報告されています。最近ではCOVID-19の心配もあります。水不足が心配される中、水は貴重であることから、汚染されない環境を作ることが大切です。

村に流れる小川
(提供:カアグアス国立大学)
 また、下の写真を見てもわかる通り、穴の周囲に漏れた排泄物の跡があることから、このトイレが衛生的ではないことが見てとれると思います。安心して使える、綺麗なトイレが必要です。
穴の周囲が汚れている様子
(提供:カアグアス国立大学)

 3つ目は、経済的な問題です。パラグアイの都市部と農村部の間には経済的な格差があり、パラグアイ都市部の貧困率が17.5%に対し、農村部では33.4%にのぼります(DGEEC,2019,p.6)。また、パラグアイ統計局の調査によると農業従事者の平均月収はインフォーマル業を除き、その他の職業と比べて最も低いことが示されています(DGEEC,2017,p.196)。農業大国であるパラグアイでは、首都アスンシオンとその近郊に住む人以外の多くは農業に従事しています。

 本基金が活動を行っている農村でも多くの住民が農業を生業としています。そこで使う化学肥料は支出のなかで大きな割合を占めています。また、化学肥料を多量に使用することによる健康被害も危惧されます。一般的な家庭にはトイレを新設するための資金はなく、改修することが必須でもないため後回しにされがちです。きちんとしたトイレが欲しい思いは住民にあります。そのため、ただトイレを建設するだけでなく、環境にも経済的にも負荷を抑えたトイレが必要です。

 また上記にあげた3つの問題以外