ら、教育、認知科学、複雑系、データサイエンス、メディア、芸術など、様々な分野に触れてきました。
ベルリンで散歩してたら友達になったチュニジア人のみなさま
その中で注目し始めたのが、旅と映像の可能性です。自分自身が世界を旅して大学生活を送る中で、偶然の連続である旅が自分が出会うことのなかった新しい世界を見せてくれるものであることを感じました。仮に、人生がその人の生まれ育った環境に大きな影響を受けていて、人の価値観がその人の今まで吸収してきた情報によって形作られるのであれば、旅はその人がまだ見ぬ世界で、本来出会うはずのなかった偶然と出会うことのできる場所だと思います。そして、現在の情報社会で、映像は、その人が出会うことのなかった体験を視覚・聴覚で届けられる最高のツールです。現在日本のパスポート保有率は約20%。5人に4人が日本の外を旅するための切符すら持てていません。旅という、新しい価値観との出会いの連続を生み出す体験を、映像を通して、様々な人に体感してもらうことができれば、多くの人の価値観をアップデートできるのではないか。そして、より多くの人が旅の面白さに気づくことで、より多くの人が自ら新しい世界を体験しに行けるのではないか。そのような考えのもと、旅して学ぶという新しいライフスタイルを体験させていただいている数少ない日本人として、Youtube、Instagramを通した発信を行ってきました。
また、映像以外でも、学業外で日本に新たな学びの在り方を応援する活動を行っています。私は機会に恵まれ、2年前に日本の高校から初めてミネルバ大学に進学する地方公立高校生になりました。その経験を還元するために、現在まで海外進学等に関心のある高校生約100名の個別相談と、1000名を超える学生・教育関係者への講演・ワークショップを行ってきました。また、昨夏には、株式会社リクルートの社内組織、ヒトラボ様後援のもと、大学の同級生4名と、無意識の思い込み(Unconscious Bias)に関するワークショップを開発し、全国の高校約15校、のべ600名の学生にミネルバ大学の学習の科学に基づいた教授法を用いてワークショップを行いました。
このような活動をより深め、発展させていけることは、社会的意義だけでなく、「誰もが様々な選択肢の中で自分らしく生きていける社会を作る」という僕の夢にとっても非常に重要なことです。
しかし、このような活動は、自分だけでは太刀打ちできない、とある大きな壁によって、夏季休業中の4ヶ月間しか行えていないのが現状です。
経済状況という大きな壁
私は、現在ミネルバ大学に奨学生として進学しており、学業期間中に年間225時間の学内インターンシップを行うことが義務付けられています。そのため、学業と都市の活動に加えて、学内インターンシップを行う必要のある年間8ヶ月間は、ほとんどコンテンツの制作を行えません。新学期の開始まであと20日。そしてこの夏、自分の夏休みのほとんどの時間を投げ打って、コンテンツ発信を行いましたが、ドイツに滞在した大学2年目の前期を共有するのがやっとの状況です。コロナ禍で、学びや生き方など、様々な常識が見直されつつある日本。事実として、ミネルバ大学の同級生である海外の有名YouTuberも、学業期間中はコンテンツ配信の縮小を余儀なくされており、私が昨年度、授業以外の全ての時間を映像制作に費やしても、素材の撮影までが限界でした。今、ミネルバ大学で学んでいる数少ない日本人として、その貴重な体験を、より多くの皆様に還元していくことに、大