実施理由/背景
様々なスポーツ体験を通した新たな才能の発見
本県では、これまで競技団体がそれぞれの強化方針のもと、ジュニア選手を「発掘・育成・強化」するトータルサポート事業を展開してきました。しかし、競技力向上に短期的につながる「強化」に重点が置かれ、長期的展望に立った「発掘・育成」といった競技人口拡大の取り組みが十分ではなく、競技人口の減少が進んでいます。このことは、コロナの影響でさらに加速し、国体の誘致を目指している本県においては、何とか食い止めなければなりません。そこで、山梨国体で活躍が期待できる選手を確保するため、小中学生のジュニア層に働きかけ、スポーツの機会を設けて選手の発掘を行うとともに、競技スポーツへの興味を持たせ、継続する意欲を高められる活動を実施していきたいと考えます。また、特に減少が深刻な女子選手の競技参加の場を確保するとともに、競技を続けやすい環境を整えていきたいとも考えています。子どもたちが様々なスポーツの体験活動を通して、仲間と楽しく体を動かしながら、自分の中の新たな才能を発見できるチャンスを得る場となることが、プロジェクトの狙いです。
プロジェクト内容説明
ジュニアアスリート・トータルサポート事業
この事業は、多くの競技を体験し、競技スポーツ選手へとつながる動機付けを図ること、そして、優れた資質を有する選手の発掘・育成です。
・競技団体合同発掘イベントの開催
「チーム山梨」として各競技団体が協力し、複数の競技を体験できるイベントの実施に取り組みます。
・競技団体ごとの発掘イベントの開催・育成練習会の開催
競技団体ごとに優れた資質を有する子どもたちを発掘するイベントや育成練習会を積極的に行います。
例えば、子どもたちが憧れる東京オリンピック・パラリンピック選手など、著名な選手を講師として招待し、直接触れ合いながら競技の楽しさを味わえる活動となることを目指します。目の前で、繰り広げられるトップレベルのプレーを見たり、実際に教えられたりする子どもたちの感動は計り知れないと確信しています。また、仲間と協力することの大切さや、相手を思いやる心の大切さも学びます。この機会に、子どもたちには夢を持ち世界に羽ばたく第一歩になってもらいたいと希望しています。いつか、その子どもたちが感動を与える側となることを願い、将来のアスリートを支援する環境を整えていきたいと思います。
2巡目の国体優勝を目指して
昭和61年に山梨県において開催された国民体育大会(かいじ国体)では、山梨県選手団は当時の国体史上最高得点で総合優勝を果たしました。その時に活躍された選手の多くが、引退とともに指導者のキャリアをスタートさせ、ジュニア選手の指導に取り組んでいます。アスリートから指導者へと続く、持続可能な選手・指導者育成システムの構築が今の競技力を支えています。それから半世紀後、本県で2回目となる国体の開催が予定され、この好循環をさらに強固なものにしていきたいと考えています。
目指すところ
魅力あるトップアスリートを輩出、山梨の未来を拓く人材の育成
「自分の可能性をもっと試したい」とチャレンジする子どもたちの夢を応援するため、「選択の機会と場」を提供することが大切だと考えています。
適性を有するポテンシャルの高い子どもたちを見出し、優れたコーチから質の高いプログラムを提供されることで、競技パフォーマンスを最大限に引き上げることができると考えています。そのために必要なモチベーションは、人との出会いから生まれる「欲求」や競技との出合いを通した「熱中」