となっていまいました。
もどかしい思いを抱えていた時に、深澤さんが「せと末広町商店街」の近くにある古民家を利用した本屋「ひとしずく」さんのリノベーションに携わることとなり、「松千代館」もまちづくり拠点の一つとしての活用してはどうかと事業計画の提案をいただきました。
さらに、愛知工業大学建築学科の講師である益尾 孝祐さんとのご縁もあり、計画を具体化し、前へ進むことになりました。
私ひとりではなかなか決断できなかったのですが、まちづくりのプロである大木さん、建築のプロである深澤さん、歴史的建造物の再生・保存のプロである益尾さんと出会ったことで「松千代館の再生の会」を立ち上げ、動き出すことができました。「松千代館再生の会」
さっそく、館内の荷物の片付けを学生のみなさんにご協力いただきました!
片付けの風景
「松千代館再生の会」では、「できるだけそのまま残したい」という家族の想いを汲んで、最低限の改修を行い、まずは“人が集える開かれた場”にすることを目指します。
「松千代館」再生後のイメージ1階は、これまでもご利用いただいていたように、ギャラリーやイベントでの貸しスペースなどとして、地域の方に広く使っていただく予定です。
お貸出できるスペースは、ギャラリースペースとフリースペースです。
ギャラリースペースは、この建物の入り口になる部分です。 原則、仕上げや家具もそのままの状態として、傷んでいる部分を補修する程度とし、昔の面影を残します。 ここでは、既存の棚やカウンターを使用して、物品の展示や販売ができるスペースとなります。
フリースペースも同様に、この建物にとって昔の面影が最も残っている場です。 この雰囲気を継承するために、痛みの激しい畳敷・絨毯の床を新設するのみの改修工事とします。 ここは、イベントや会合の場として、またギャラリースペース❶と一体的に使用できるフレキシブルなレンタルスペースとなります。
ご利用の内容によりますが、どちらも1時間1,100円〜、1日5,500円程度でご利用いただけるようにしたいと考えています。
2階は、学生を主とした「学生シェアハウス」へ。学生さんが、空き家問題など地域社会が抱える課題を学び、歴史的建造物や瀬戸の町に魅了され、入居を希望してくれています。
こうした若い方が上に住む環境のなかで、1階では貸しスペースのご利用以外にも、「まちづくりサロン」としてワークショップを定期的に開催し、様々な人が気軽に参加いただける交流の場にできたらいいなと考えています。
まだ確定ではありませんが、木曜日と土曜日はできるだけ開放して、ふらりと訪れやすい場にしたいとも考えています。
通常のスタートアップの場合、やることが決まっていると思います。けれど、「松千代館再生の会」のメンバーは、「松千代館」を残して次の世代へつなげたいという強い想いがあるものの、それぞれ仕事を持っているため、専属で事業を動かすことができないという大きな課題があります。
そのため、5年をかけて資金繰りをしながら改修を続け、場を開放してさまざまな使い方を試し、より継続的な事業を探していく。そういった形での挑戦をすることに決めました。
事業イメージ
【改修内容】
壁の耐震補強・床の歪み補正・床材の張り替え・トイレ/風呂の修繕・壁の補修・建具の修繕など❶窓ガラスの張り替え、窓枠の修繕が必要。❷柱や壁床材の補修・修繕が必要。❸天井の撤去・張り替えが必要。❹窓ガラスの張り替え、窓枠の修繕が必要です。❺天井壁の修繕、障子の枠修繕と張り替えが必要。❻天要