内の壁、天井、床などはできる限り素材を再利用、かつ移動・分解・再構築可能な設計とすることで、未来の廃材をなくすことを考えています。また、家具には斗々屋のコンセプトを体現するため、一般的に使用される建材についても再度見つめなおし、商業建築におけるサステナビリティをより深く捉えなおすなど、今後の社会にサステナブルな建築・商空間が広がるためのプロトタイプとなるように、発想と実装を行っていきます。
【NoMaDoS のプロジェクトチームのコメント】
「斗々屋の京都本店では、建築におけるサステナビリティってなんだろう?という本質的な部分を、幾度も議論しました。この先行きが見えない時代のなかで、将来店舗の内装が産業廃棄物となってしまい得る現実にも目を向けました。長期的な視野で計画を持つことで、分解がしやすいデザインを施したり、一般的にサイクルが短い物が廃棄物ではなく、資産となるような仕組みを整えたり、建築の分野から改めてアプローチできることが多々あると考えています。それは地球環境や社会だけでなく、翻って運営者の方々にとっても持続可能な店舗となるはずです。」
斗々屋には実は昼の顔🌞と夜の顔🌛があります・・・
昼間はスーパーマーケット+カフェ。夕方18:00以降は、オーガニックワイン・日本酒などと共に、シェフの技が光るお料理を楽しんでいただけるレストランとして営業します。
日本の食品ロスの 21%(年間 127 万トン)は外食産業から発生しています。また、平均的なレストランは、食品廃棄物以外にも毎日膨大な量のゴミを出しています。斗々屋のキッチンでは、ゴミを最小限に抑える努力を惜しみません。料理人の技術と知恵を生かして、オーガニック野菜や果物を皮・ヘタ・茎まで余すことなく活用します。無論、使い捨てストロー・ 使い捨ておしぼり・割り箸・紙ナプキン等は配布致しません。ラップの代わりに晒、使い捨てジッパーバッグの代わりに密閉シリコンバッグを使うなど、できる限りゴミを出さないように努力します。
ゼロウェイスト・レストランの特徴はなんといっても決まったメニューがないこと。小規模な農家さんから仕入れる旬の食材は、日によって内容も量も異なるため、同じメニューを毎日提供するより、その日その日のおすすめ料理をお客様に提案する方が、無駄がないと考えたからです。
斗々屋の信条は自然界との共存共栄です。人類が直面している環境問題や食糧問題に鑑みれば、植物性食材を中心としたお料理を提供することは必然とも言えます。しかしながら、斗々屋ではあえて動物性食品も扱うことにしました。お客様に菜食を押し付けるのではなく、肉・魚・乳製品・卵等の大量消費の裏にある現実を知っていただき、お客様ご自身のペースで、より良い選択ができるようサポートさせていただきたいと考えたからです。もちろん、ベジタリアン料理やヴィーガン料理も喜んでご提供いたします。
動物性食材は、独自のルートで仕入れた下記のような食材を使用します。
① 動物福祉に配慮した家畜の飼養管理をしている農家さんから仕入れた肉・平飼い卵・チーズ
② 害獣として駆除されるものの、現状9割廃棄されているシカ肉(ジビエ)
③ 形や数が揃わず、市場に出回ることなく廃棄されている“雑魚”や規格外の未利用魚など(※漁業においてサスティナビリティを追求するのは非常に難しく、私たちもまだまだ勉強中です。今後仕入れ基準が変わる可能性もありますが、常に斗々屋の理念に照らして、最善と思う選択をしていきたいと考えています。)
株式会社斗々屋は2017