ん。国内で処理しきれない「資源ごみ」は焼却、もしくは途上国に輸出されますが、現地で全て適切に処理できる訳もなく、その多くが自然界に流失していると言われています(*3)。さらに今年1月からは汚れたプラスチック輸出が禁止され、今後は全て国内で処理しなければなりません。
私は物心がついた頃から、食品という食品はほぼ例外なく個包装されていました。エコロジーへの関心は人一倍強かったものの、自分の「暮らし」と地球で起きている様々な出来事の因果関係に気づくには、長い年月がかかりました。きっかけをくれたのは、ドイツで訪れたある量り売り店です。
「量り売り」はいま世界で注目を集めている販売形態で、大手企業も続々と導入をはじめています。中でも「ゼロ・ウェイスト・ショップ」や「バルクショップ」などと呼ばれる量り売り専門店は、お客様に容器の持参を呼びかけるなどして、文字通り「ゼロ・ウェイスト(ごみゼロ)」なお買い物を推奨しています。私ははじめてこのようお店に入った時、誇張ではなく、本当に衝撃を受けました。「買い物をすれば、ごみは必ず発生する」、この常識を覆されたからです。そしていつしか、自分自身でゼロ・ウェイストなお店をやってみたい、という想いが大きくなっていきました。
(*2)環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成29年度)について」
(*3)環境省「環境再生・資源循環 容器包装廃棄物の使用・排出実態調査の概要(平成30年度)」
(*4)BBC News Japan 「日本のプラスチック『リサイクル』実際には何が起きているのか」
現在の食品小売の仕組みは持続可能性に乏しく、構造的な変革が必要だと私たちは考えています。未来の環境制約を見据えて、心豊かに暮らせるライフスタイルを模索し、それを実現するために新しいテクノロジーを導入する。これが斗々屋のやり方です!
どういう仕組みか気になりますか?
※画像は検討中のCGイメージです。
斗々屋では、寺岡精工さんの「革新的モーションセンサー e.Sense」を導入することで、直感的で利便性の高い「ゼロ・ウェイスト」なお買い物を可能にします。
個包装をしないということは、つまり「裸」の状態で売るということです。ヒントは昔の日本人の生活にあります。一昔前の日本では、砂糖だろうとお醤油だろうと、すべて量り売りでした。とはいえ、セルフレジや電子決済が普及しつつあるこの時代に、半世紀前の売り方を再現しても、現代人の生活には馴染まないでしょう。
なぜ馴染まないのか?一言で言えば、不便だからです。
たとえば、昔の量り売りはもっぱら「対面販売」でしたので、店主がお客さんの注文どおりに商品を取り分けて計量していました。これでは時間がかかりすぎます。欧米の「ゼロ・ウェイスト・ショップ」では、お客様がセルフサービスで取り分けるシステムにすることで、この問題を部分的には解決しています。しかし、商品数の多い店舗になればなるほど、セルフサービスゆえの問題が発生していることがわかりました。電子秤に表示される商品数が多すぎて、自分の購入したい商品を見つけるのに時間がかかったり、選び間違いが頻発したり・・・。
そのような問題を解決するためにe.Senseは生まれました。e.Senseは500円硬貨サイズのセンサーで、商品の入った什器に取り付けられます。お客様が商品を取り出すと、その動作を「e.Sense」が検知し、商品情報を最寄りの電子秤に送信する仕組みとなっています。お客様はそのあと、商品を秤の上に乗せるだけで、正しい商品が画面に