ご挨拶
はじめまして。ゲヌというアフリカ布ブランドをしています宮村暢子(みやむらのぶこ)と申します。
学生時代に訪れたセネガルでの経験が忘れられず、31歳でブランドを始めました。
”ゲヌ”は西アフリカのセネガルの言葉で”出口”を意味します。出口の見えない人々に出口を作ることを目的に、売上の一部をセネガルでの職業支援に充てたり、暴力により傷ついた女性たちのための避難所建設を支援する活動を行っています。
私とセネガルのつながり
私とセネガルのつながりは1冊の本から始まりました。
本のタイトルは『切除されて 』。セネガル人女性のキャディコイタさんが書いた自叙伝でした。
キャディさんは7歳のときに地元の慣習で女性器の切除(FGM)を受け、13歳で見知らぬ従兄弟と強制的に結婚が決まり、強姦のような日々に耐えながら5人の子どもを出産しました。収入をすべて夫に奪われ、38歳でようやく離婚が成立するまで、自由がありませんでした。
彼女は自身と同じように傷つく女性たちを救いたいと世界中で活動をはじめました。 『切除されて』は幼少期からそこに至るまでの長い道のりを綴った物語です。
あまりに辛い内容に、ときにはページを開いていることもできず、何度も泣きながら読みました。でも、本には彼女のセネガルへの愛情が詰まっていて、きっとセネガルは素敵な国に違いないと感じました。そして、2011年、私は大学を休学し、ずっと行ってみたかったセネガルに滞在をしました。
セネガルは、エネルギーに溢れた明るい国です。道を歩けばすぐに友だちができ、人と人との深い繋がりを感じることができます。美味しい料理、優しくてユーモア溢れたおしゃべり好きな人々、お洒落でカラフルなアフリカ布のファッション、子どもたちの笑顔。私はセネガルが大好きになりました。
一方で、大好きだからこそ、やるせない気持ちになることも多くありました。お腹いっぱいに食べられていないストリートの子どもたち、道や海にまであふれたゴミ、やる気があるのに仕事が見つけられない人、そして一部では暴力を受けて行き場をなくした女性たち。
セネガルでは、本の著者であるキャディコイタさんに会うことができました。
下の写真は、2011年に初めてキャディさんに会ったときの写真です。
彼女は、La Palabre(ラ・パラーブル)という団体を作り、暴力を受けた女性たちのために避難所の建設を進めていました。彼女の作る避難所は、女性器切除や強制結婚、男性からの暴力に苦しむ女性たちを避難させ、そこで心のケアや職業支援を行い、自立を促すというものでした。
日本に帰国した私は悶々としていました。お世話になったセネガルのため、そしてキャディさんのため、私にできることはないのか。
しかしながら、そのときは何も貢献できぬまま、私は大学を卒業し、社会人になりました。
2020年1月、再びセネガルを訪れると、キャディさんの避難所は建設費用が足りず、建設途中のままでした。60歳を超えたキャディさんは体調が安定せず、資金も底を尽きていました。
ブランドの立ち上げ
私は2020年4月にゲヌを立ち上げました。自分にできることを1つずつやっていきたい、と思ったのです。
アフリカ布の商品は可愛らしいだけでなく、売上の一部をセネガルの発展のために使うことができます。まずは売上の10%をキャディさんの団体に寄付するという活動を始めました。また、避難所の建設・修復は非常に高額なため、公的機関に援助を要請するお手伝いもしています。
そして、いずれは避難所