とも。お客様がおがログを手に小笠原観光を楽しんでいるのを創造しながら、ようやく形にするところまで辿り着きました。タコノキ
ノートの中表紙の和紙には「タコノキ」のチップが使われています。タコノキは小笠原の固有種で地上にタコの足のように張り出した根っこが特徴的な植物です。小笠原ではその葉っぱをゆでて、のして、乾かして、割いて、染色してと沢山の工程を加えて、かごやブレスレットに加工しています。その葉の一部を、和紙に漉き込んで固有植物の有効活用にも協力しています。
皮のカバーにもこだわりました。皮の色や肌触りを大切にしたので初回の試作品から比べるとぐっと高級感のあるものに仕上がりました。柔らかくなり、さわり心地もぐっと優しくなりました。そのほかにもポケットやカードの差し込み口を増やしたり、ペンを刺して使えるパーツも追加。しおりになる紐も丁度いい色と質感に仕上がりました。長く使える高級感ある仕上がりになりました。旅の記録を残すだけでなく、普段持ち歩くのにもスマートなデザインです。
船上から見るハシナガイルカ
ロゴもオリジナルのデザインを作りました。しっぽに水の輪が広がっているようなデザイン。ザトウクジラのしっぽでもあるし、イルカのしっぽにも見えます。一年中みられる鯨類は小笠原を代表する生き物の一つです。そして、もう一つの意味は噴火を繰り返してどんどん成長している島、「西之島」もイメージに入っています。つい一昨年までは静かな離れ小島だったのに、突然噴火を始め、少しづつ島の形を変えながら大きく育っている島で海鳥たちの貴重な生育域にもなっています。沢山の思いがつまったロゴは皮のカバーに刻印されている他、ノートにも印刷され、限定の認定証明書にも刻印されます。ザトウクジラのしっぽ
プロダクト誕生までのお話
もともとダイバーだった自分が小笠原に移住して早22年。ハードリピーターだった7年を足すと30年近く小笠原の虜になっているのにびっくりします。一番最初に訪れた時と比べて父島はおしゃれなお土産物屋さんや美味しいごはんが食べられる店もたくさん増え、民放テレビが見られるようになり、Wi-Fiが使えるようになったり船がちょっぴり早く着くようになって便利になりました。
なにひとつ変わらないのは海の青さ、澄んだ空の高さ、森のみずみずしさ、海中公園でシュノーケリングそして流れる時間とそこに暮らす人たちの暖かさです。24時間の船旅中にWi-Fiが届かなくなり、翌日たどり着いた先は東京都なのにまさに「別世界」地球の裏側まで行けそうな移動時間。それでも船旅だからこその良さと開放感を味わってたどり着くこの島は、やっぱり特別です。その特別な島に行くには「特別な❝パスポート❞があったらいいのでは?」と思っていました。東京竹芝桟橋を出発するときには「出国スタンプ」を押してからおがさわら丸に乗船。24時間の船旅を終えた先で押してもらうのは「入国スタンプ」。アクティビティに参加した記念スタンプ、飲食店で小笠原ならではの食事をした記念スタンプ。隣の母島に行くのにも、もちろん「出国スタンプ→入国スタンプ」の手続きをします。そうやって集めたスタンプは一生の思い出になるととともに、これから先に小笠原仲間が増えていくときの最強のコミュニケーションツールになります。
こんな不便な島にも何度も訪れてくれるハードリピーターは実はけっこういます。でも、いままでは「小笠原〇回目」「ザトウクジラのシーズンは毎年来ている」「イルカと泳ぐために初めてこのシーズンに来た」「ハートロックに来たの〇回目」等々。語る